尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日に非常戒厳を発令した経緯はいまだ不明の点が多く残っており、韓国各メディアがその理由を探っている。
大統領から公式での意図説明はされておらず、各メディアは予想の範疇を超えないが「政治的な敵である、共に民主党をけん制するため」との見方が多かった。
その中で、ネット上で信頼度に定評のあるニュース工場は6日「選挙の関係があるのでは」との推測を出した。根拠は「今回の特殊部隊の動きを総合すると、その狙いが把握できる」とした。
今回の戒厳下で、韓国政府は、ソウル近郊の特殊部隊を国会議事堂、中央選挙管理委員会、ニュース工場社屋の3カ所に派遣した。対テロや戦争時に敵国中心部に派遣される最精鋭部隊。各メディアは「通常、非常戒厳令が発令されると、まずは国会とメディアを掌握する。しかし今回、地上波テレビ3局(KBS、MBC、SBS)やニュース専門テレビ局のYTNやJTBCなどには特殊部隊を派遣していない」と指摘した。
特殊部隊に社屋周辺を囲まれたニュース工場のメイン司会者で同社代表の金於俊(キム・オジュン)氏は「ニュース工場は世論調査会社も経営している。当時社内にいた職員は軍人から『あなたは世論調査会社の関係者か?』と聞かれた」と明かした。
実際、特殊部隊は国会の本庁舎に窓ガラスを破って侵入すると、中央選挙管理委員会ではサーバーを押収したことも伝えられている。ニュース工場では社屋周辺を囲ったが、戒厳解除で解散した。
韓国で、最も影響力のある言論人のランキングで2位に入ったこともある金於俊氏は「国会は戒厳解除を阻止するためと分かるが、中央選挙管理委員会とうちの会社に特殊部隊を派遣したのは、選挙関連の世論調査について、強制調査したかったとしか思えない」と分析した。