歌手で俳優の中山美穂さんが亡くなって一夜明けた7日、脚本家の小松江里子さんが日刊スポーツの取材に応じ、「見た目と違うギャップが魅力でした」とその死を悼んだ。
1990年(平2)、小松氏にとって全国デビューとなった脚本のTBS系ドラマ「卒業」に、中山さんは女子短大生として主演。就職や恋愛に揺れる等身大の女性として描いた姿を中山さんが演じきった。
小松さんは「オーラをまとったきらびやかなアイドルではなく、1人の学生の雰囲気を持たれていた。いろいろな面のある女優さんでしたが、『こういう一面もある』と訴えてくれました。世の中の女性に共感を得られる美しい存在として、女性の人気もあったと思う」と語った。そんな姿が、95年に出演した代表作の映画「Love Letter」に続いているとも分析した。
54歳であまりにも早すぎる死。「関係していた出演者もみんなショックだと思います。気配りができて、繊細なところが魅力でした。そこが脚本家にとって描きたい側面でもありました。私は中山さんがいたからこそ、脚本を書けた思います」と無念の思いを明かした。
小松氏はこの日、囲碁のトップ女流棋士4人が和服姿で初めて対局する「女流囲碁アマノ杯青龍戦」(横浜市「三渓園鶴翔閣」)の観戦記を担当した。【赤塚辰浩】