2024年度補正予算案に関する協議が始まった10日の衆院予算委員会で、質問に立った自民党の井上信治・元万博相が、野党議員として30年ぶりに就任した立憲民主党の安住淳予算委員長の仕切りをほめちぎる、異例のひと幕があった。
井上氏は質問に入る前、安住氏が12月5日の予算委員長デビュー戦で、与野党に対しかたよりなく対応したことを念頭に「不偏不党、中立公正で委員長として差配をしていただいた」と評した上で「安住委員長は、なんと言っても立憲民主党の国対委員長を務め、財務大臣も務めたということで経験豊富。本当に円熟した、尊敬すべき政治家だと思っている」と、指摘。ほめ言葉を連発しながらも「引き続き、当然のこととは思いますが、しっかり差配をしていただきたいと期待をしております」と、今後の委員会運営にくぎを刺すような? 期待を示した。
安住氏は委員長席で恥ずかしそうに笑いながら、何度もうなずいていた。
井上氏は、立民の予算委筆頭理事を務める山井和則氏についても「筆頭間協議を誠実に対応していただき、今のところ順調にやらせていただいている」と、良好さをアピール。その上で、石破茂首相に対して「与野党が主義主張や政策をぶつけ合い、お互いに歩み寄れるところは歩み寄って政策を前に進めていくのは、少数与党だから言われているが、考えれば当然のことだ。与党が多数でも、こういう姿勢は重要と思っています」と語りかけると、野党から「そうだ」と、やじが飛んだ。自民党が少数与党に陥ったことを象徴するようなシーンとなった。