衆院議員や東京地検特捜部副部長を務めた弁護士の若狭勝氏が11日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演。元大阪地検のトップである検事正が部下の女性検事に性的暴行を行って準強制性交の疑いで逮捕され、今年10月の初公判で事実を認めながら、今月10日になって一転無罪を主張した件で、「ふに落ちない。裁判官の心証も悪い」とコメントした。
一般的な性犯罪について、若狭氏は「女性がオープンにできない。闇に葬られてしまう。今回の被害女性も、自分が訴えても握りつぶされるだろうと悶々としていたと思う」とした。その上で、「それが検察庁の中で行われて時が過ぎていったという、悲しい象徴的な出来事だと思います」と手厳しい。
検事正というのは、地方検察庁のトップ。業務が公正、適正に行われているか組織全体を見渡して指揮、監督を行う立場でもある。しかも、検察の中でもトップの最高検察庁の検事総長、次長検事、以下全国8カ所の高等検察庁、東京地検検事正に続き、大阪地検の検事正は上から数えて12番目の立場にある。
若狭氏によると、今回有罪なら原則執行猶予はつかず、懲役5年以上の有期刑になるという。今回の裁判の大きなポイントとして、「女性の供述調書が取られているはず。被告人も認めており、裁判所に調書が提出されることが多い。それがされているかどうか」とも指摘していた。