今年で4回目となる「SUNTORY 将棋オールスター東西対抗戦2024」が15日、東京・代々木の明治神宮会館で始まった。日本将棋連盟の棋士が東西に分かれ、ファン投票で選ばれた3人と予選から勝ち上がった3人の計6人ずつが1手30秒で戦う団体戦。
開会式直後、第1局の藤本渚五段対佐藤天彦九段戦と、第2局永瀬拓矢九段対上野裕寿四段戦(上が先手)が同時に行われた。昨年の新人王・上野に次いで、同じ井上慶太九段一門の弟弟子藤本が勝ち、西軍が幸先よく連勝した。
藤本は昨年度51勝で、伊藤匠叡王と並んで最多勝。勝率8割5分(51勝9敗)は、藤井聡太現7冠の8割5分2厘(46勝8敗)に次いで2位。一昨年10月にデビューし、若手限定戦の加古川青流戦で昨年優勝した。伸び盛りの19歳だ。
佐藤の向かい飛車に対し、混戦から抜け出した。「序、中盤はいい感じ。予想しなかった受けに同様が広がり盛り返されたが、勝ちが転がり込んできた。運が良かった」と話した。佐藤は、「序、中盤で失敗した。アヤをつけに行ってよくなった局面もあったと思ったが、勝ちが発見できなかった」と語った。
先に終局した上野と永瀬が舞台に登壇して終盤、局面を見守った。「藤本君は読み切ると指し手が早い。分かりやすい」と兄弟子が説明する。「これ、詰むということですね」と永瀬も応じ、藤本の鋭さを認めていた。