国民民主党が主張する「年収103万円の壁」引き上げをめぐり、15日の札幌市での講演で「根本、おかしいと思う。なぜ学生が103万円まで働かなければいけないのか」と発言し、SNSの批判が相次いでいる自民党の小野寺五典政調会長は、16日までに自身のX(旧ツイッター)を更新し、発言の意図について説明した。
小野寺氏は講演で「学生は将来のためにしっかり勉強してほしい」「学業に専念できるような支援を国会で議論すべきだ」と訴えたとも、報じられているが、15日夜のX投稿で、自身の発言を報じたネットニュースを引用しながら「本日の札幌講演の補足を。『学業に専念できるよう政治が支援するのが本筋』との意図です」と主張。
「私は大学時代、授業料の減免を受け、大学構内の寮に住み、奨学金とバイトで生活費を捻出していました。だからこそ、学生には学業に専念できる国の支援が必要と思っています」と記した。「その上で、学生には安心して様々な活動に励み、視野を広げて社会人基礎力を磨いて欲しいと思っています」とも訴えている。
小野寺氏の講演の発言が報じられた後、SNSでは「そのくらい稼がないと、学費も生活費も足りないからですよ。そういう学生たちを自民党が生み出してきたんですよ」「全て減税を拒否して、教育への公的支出を渋ってきた自民党のせい」「これは正論なんだからさっさと学費無償化しろ」など、反発のコメントが相次ぎ、国民民主の玉木雄一郎代表は15日、Xに「まるでマリーアントワネットみたいな感覚ですね」と皮肉るように指摘した。
「103万円の壁」引き上げをめぐっては12月11日、自民、公明、国民民主の3党の幹事長が、国民民主が主張する178万円を目指して来年から引き上げることで合意した。一方、13日に行われた3党の税調幹部の協議で、与党側は、国民民主が目指す所属税の非課税枠178万円ではなく、123万円を提案。国民民主は「話にならない」として一蹴し、今後、再協議が予定されている。