2019年の参院選広島選挙区買収事件をめぐり公選法違反の罪に問われ、懲役3年、追徴金130万円の実刑判決が確定し、服役した元法相の河井克行氏(61)は、15日に放送されたABEMA「ABEMA的ニュースショー」(日曜正午)に生出演し、合計1160日に及んだ獄中生活について振り返った。河井氏は今年10月20日、刑期を満了している。
刑務所は更生施設というが、河井氏は、現実は違っていたと証言した。「私は『逆さまつげ』がものすごく伸びるので、それまでは月に1回切っていた。(刑務所内で)眼科の専門医に診断書も見せたが『聞いた事がない』『切らない』と言われた。お願いしますと言ったら、わーと言われ、あのときはいちばん、情けない思いをしました」と振り返った。最終的には、自身で「むしり取る」しかなかったと述べた。
さらに、「ある高齢の受刑者が、行進訓練の時にどうしても調子が合わないときがあった。刑務官は『お前、なんでおれの言ってることが分からないんだ』と怒鳴った」と振り返る中で、自身の体験と重なる思いがあったと言及。「あっ、と思ったのが、この人は分からないから分からないのに、なぜ分からないかと言われても、分からないよな、と。自分も同じようなことを今まで、周りのスタッフにも同じようなことを浴びせてたようなことがあったなと。人のふりを見て、いけなかったと思いました」と、自身の言動を反省したことも明かした。
さらに、当時、トイレに行きたいと思った時の刑務官との複雑なやりとりも回想。トイレに行く場合は「挙手」と「許可」を17回繰り返さなければならなかったという。「担当の刑務官は(刑務所内の)工場に1人ずついる。その人とはだんだん人間関係はできていきますが、その人がいない時は若い方や違う方が臨時で来る。(その場合は)トイレに行きたくて手をあげても、全然当ててくれないの」とぽつり。「先輩の受刑者が『河井さん、(挙手した)腕が耳についていない。角度が浅い』と教えてくれた」と述べ「刑務官を1人1人、批判ということではなくて、組織の話。そういう文化になっている」と、問題提起するように語った。