国民民主党の税調会長を務める古川元久代表代行は18日、国会内で開いた両院議員総会であいさつし、「年収103万円の壁」引き上げをめぐる自民、公明両党との協議について「実務者協議はこれで終わりになる」と述べ、3党の税制調査会(税調)幹部間の協議を打ち切る考えを、あらためて強調した。
自民党の宮沢洋一税調会長らは13日、所得税の非課税枠引き上げ額について、国民民主が求める178万円に及ばない「123万円」を提案。古川氏は「グリーンも全然見えないような距離しか飛んでいない」として一蹴し、17日に再協議が行われたが、与党側から新たな提案がなかったとして、10分で「決裂」した経緯がある。
古川氏は「(榛葉)幹事長に『ゴルフに例えないように』と言われている」としながらも、与党側との協議の進捗(しんちょく)を、これまでゴルフの「グリーン」に例えてきたことから、この日もまたまたゴルフに例え「プレーしているのは向こうだ。我々はキャディーだ」と表現。結果を出す立ち位置にいるのは自民、公明両党にあるとの認識を示した。
物別れに終わった17日の協議について「新しい提案があると思って席に着いたが、向こうから『この前の件はどうですか』と言われるので、だれもあれ(123万円)で了とする人はいない」と宮沢氏に訴えたと明かした。その上で「(宮沢氏はまだ)『グリーンはどこだ』というようなことを言われた。日が暮れかけて(プレー時間が)終わるのに。これは(ボールを)打つ気がないんだなと。これはキャディーはやっていられないので、私は(協議を)やめますと言って席を立った」と述べた。
宮沢氏は17日の協議後の取材に「いろんなアイデアや考えも持っている。実質的な協議が始まるようなグリーンがどこにあるのかを、教えてくださいと。それを受けていろいろ考えていきたい」と述べたとした上で「交渉につながるような国民民主の考えを教えてくださいと申し上げたが、新たな提案がないのならこれ以上協議はできません、ということだった」と説明。「私としては、誠心誠意、対応してきたつもりだ」「なんとか協議を続けたいというのが自民、公明の思い」とも訴えていた。