国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は21日、日本テレビ系「ウェークアップ」(土曜午前8時)に出演し、所得税の非課税枠「年収103万円の壁」の引き上げについて、あくまで「178万円を目指して頑張る」と口にした。
国民民主は、103万円から178万円への引き上げを求めているが、20日に与党がまとめた与党税制改正大綱には、従来の与党案の「123万円」が記され、国民民主の要望とは大きな開きがある。自民、公明、国民民主3党の税調幹部が17日に行った協議は、与党側から123万円以上の新たな提案がなかったとして国民民主が打ち切りを通告したが、3党は20日の幹事長会談で、協議の再開と継続を確認した。
玉木氏はこの日の番組で「こういった税制に関する議論が国民のみなさんを巻き込んで、賛否があっていいんです。我々も批判を受けます。国民全員にかかわる税の議論をみんなでやれている環境が民主主義。我々も建設的、前向きに向き合いたい」と述べた。
番組の中谷しのぶキャスターに「178万円には最後までこだわるんですか」と問われると「目指して頑張ります」と、3党幹事長会談の合意書に書かれたフレーズを口にした。
これに対し、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏は「私はかなり、それに対しては懐疑的というか、批判的なんです」と、疑問を呈した。「自分たちが上げたこぶしだから振り下ろせないという態度ではなく、合理的な、いちばんいいところはどこなのかという観点から、謙虚にやらないと」と、国民民主側の対応に苦言を呈すると、玉木氏は「あの、謙虚にやってます」と笑いながら応じた。
その上で、かねて178万円の根拠について、「103万円の壁」ができた約30年前から最低賃金が73%上昇していることを踏まえ、73%増の178万円を主張していることを念頭に「大義と理屈が必要。最低賃金とは、労働者の生活費を勘案して決めることになっており、インフレも踏まえた概念になっている。我々には我々の理屈があるということを、きっちり言っていきたい」と訴えた。
178万円に代わる代替案を問われると「いや、178を目指していきます」と譲らなかった。