東京・千駄ケ谷にある日本将棋連盟の「将棋会館」が23日、最後の対局を迎えた。この日は竜王戦ランキング戦1組の森内俊之九段対郷田真隆九段戦など、9局が行われた。
同会館は1976年(昭51)に建設された。老朽化のため、今年で連盟創立100年の記念事業として、東京と大阪で新会館が建設された。関西将棋会館は大阪市から大阪府高槻市に移転し、すでに対局も始まっている。東京の新将棋会館は、同じ千駄ケ谷でもJRの駅前に移転し、対局は来年1月から始まる。
将棋会館では、悲喜こもごものドラマが演じられ、数々の名局が生まれた。多くのタイトル戦も開催され、新型コロナウイルスの緊急事態宣言明けとなった2020年(令2)6月には、藤井聡太現7冠(22)が初めての大舞台となる棋聖戦5番勝負に登場。渡辺明棋聖(当時)に挑戦した。和服が間に合わず、スーツ姿でのタイトル戦デビューとなった。そのほか、挑戦者を決めるトーナメントやリーグ、女流棋戦、プロへの最後の難関突破を目指す棋士養成機関「奨励会」の三段リーグなども行われてきた。新たな歴史は、新たな将棋会館に引き継がれる。