二階堂ふみ(30)が日英合作映画「遠い山なみの光」(石川慶監督、25年夏公開)で、主演の広瀬すず(26)と初共演したことが24日、分かった。約10年前に自身を憧れの俳優として挙げた広瀬が演じた、長崎で原爆を経験し英国に渡った主人公が、長崎時代に出会った謎多き女性を演じた。「石川監督はじめ素晴らしいスタッフの方々とご一緒できたこと、とても光栄に思います」と語った。
「遠い山なみの光」は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロ氏(70)の、1982年(昭57)の長編デビュー作の映画化作品で、同氏が生まれた50年代の長崎と80年代の英国が舞台。主人公の悦子は、英国人の夫との間に生まれた娘ニキが、大学を中退し作家を目指そうと執筆のために自宅を訪れ、数日を共にする中で、最近よく見る長崎で暮らしていた頃に知り合った佐知子と幼い娘の夢について語り始める物語。二階堂は、佐知子を演じた。
撮影は、9月に終了した。二階堂は「改めて、当時の女性たちが何を抱えて生きていたのかを、登場人物を通じて感じていくような経験でした」と振り返った。石川監督は「役、映画全体に対する理解度に驚かされました。今、編集室で二階堂さんが放つ異彩が、いかに映画を彩り豊かなものにしてくれているかを実感しています」とたたえた。
今回、初公開された場面写真は、広瀬が18年、二階堂は21年とともにNHK紅白歌合戦の司会を務めた2人が真っ向から向き合っている。石川監督は「現代日本映画界最高峰のふたりが、同じフレームに収まっているのを見るだけでも震えるような感動」と語った。