東京都の小池百合子知事は10日の定例会見で、例年、大学入試共通テスト当日に受験生を狙った悪質な痴漢行為が確認されることについて「悪質極まりない。絶対にやめてほしい」と、厳しい口調で訴えた。
今年の大学入試共通テストは、1月18、19両日に予定されている。小池氏は、記者からの質問に答える形で「本当に悪質だと思います。ずっとその時のために準備をしてきた学生が、その直前に被害に遭うことによる心理的な影響などを考えると、まさに悪質極まりない」と指摘。「そもそも、いつであっても痴漢は許されない。そこも意識しながら、痴漢防止のためのキャンペーンを行っていく予定です」と明かした。
「絶対にやめていただきたいと思います。これは決まった日だけでなく、どういった場でも(痴漢は)許されないことです」と、繰り返し呼び掛けた。
さらに質問で、第三者が現場を目撃した場合でも通報などの行動になかなか移せないケースもあるということが調査で確認されている、と指摘され、あらためて都民に向けたメッセージを問われた小池氏は、「いろんな研究も行われていると思うが、いちばんは、被害にあっていると思われるご本人が声を上げるのが、いちばん早いのではないか」と私見を述べた。
「(事実関係が)違ったりして後で裁判になったりすれば、余計に人生が狂うことが両方(の立場)にあるケースもある。まずは本人から声を上げるのが、いちばん有効なのではないか。そういうことを含めて、今回も(痴漢防止の)キャンペーンを打っていきたい」と、今後対応策に打って出る考えを示した。
この問題をめぐっては、大学入学共通テストを運営する大学入試センターが公式X(旧ツイッター)で、試験場に向かう電車内などで痴漢の被害に遭遇した場合は、追試験の対象となることを呼び掛けるなど、さまざまな形の対応策がとられている。