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VOW WOW“奇跡”のライブ 山本恭司「つないでくれたのは新美俊宏」

日刊スポーツ 2025年1月13日 15時12分

ハードロックバンドVOW WOWがこのほど、東京ドームシティホールで、ライブ「THE RETURN OF THE KING」を行った。

同バンドは24年6月、14年ぶりに再結成。そのきっかけは、23年5月に66歳で亡くなったドラマー新美俊宏さんの早過ぎる死だった。新美さんの一周忌追悼とファーストアルバム「BEAT OF METAL MOTION」リリース40周年記念として、神奈川・クラブチッタで復活ライブを開催。2日間のチケットは瞬く間に完売。この事態を受け、年明けに2日間の追加公演を発表するも、再びプラチナチケットとなり争奪戦となった。

会場が暗転し、SEが流れると拍手の渦となり、ファンは早くも総立ち。オープニング曲「GO INSANE」で山本恭司(68)が奏でる、まさに“狂気”を感じさせるイントロをファンは大歓声で迎えた。

ボーカルの人見元基(67)は90年に解散すると、高校教師に転身。異例のキャリアの持ち主だが、そのパワフルでレンジが広い日本離れした声は、まったく衰えを感じさせなかった。

だが、そんな人見もこの日は、いくつか〝やらかした〟。「YOU'RE THE ONE FOR ME」では小節を飛ばし、山本の「もう1回やろうか」で再演奏。ファンにとってはうれしいハプニングとなった。それでも、アカペラでボーカルソロを披露するなど、ロックボーカルの枠にとどまらない豊かな表現力でファンを魅了した。

山本は「皆さんとは随分ご無沙汰した時期があったにもかかわらず、こんなに多くの方が待っていてくださって、本当にありがとうございます」と感謝を述べた。「去年6月に、あんなに多くの方が見たいといって来てくださって、思い切ってキャパが倍以上のホールにしたのに、それでもまだ入れない人がいっぱいいる」と続けると、「奇跡です」とした。

「来年70歳です」に会場は大歓声。「この年齢でステージに立っているのが信じられない」と笑い、「VOW WOWという奇跡のバンドは正直もうないと思っていた」と明かした。だが、「それをつないでくれたのは新美俊宏だと思います。ファンにも、そして新美にも、今日のライブをしっかり届けたいと思います」に会場は惜しみない拍手を送った。

途中休憩を挟んだ2部制で約3時間。80年代と変わらぬパワフルさと、レコーディングなみの再現性で、待ちわびたファンを魅了した。

キーボード厚見玲衣(67)は最後に「平均年齢70近いんだよ。よくやってると思いませんか!」と絶叫。また、「再結成バンドは体形が別モノも多いけど、うちら素晴らしいんじゃないですか!」と続け、「努力してるわけではなく、生まれもった才能」としたが、人見は「才能ではなくて、単に胃腸がよくないんじゃない」と笑わせた。

そんな人見の「また会おうぜ!」でSEの「YOU KNOW WHAT I MEAN」が流れると、サービスで一節を披露。その後、「歌詞が分からない」と笑いつつ、「よいお年を!」と手を振りステージを後にした。

1月9日公演の模様は、WOWOWで3月に放送され、放送後21日間はWOWOWオンデマンドで配信される。

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