タレント中居正広(52)の女性トラブルを巡り、フジテレビの記者会見から一夜明けた18日、大手企業の間で同局へのCMを止める動きが相次いだ。日本生命保険やトヨタ自動車などがこの日、同局でのCMを当面差し止めると明らかにした。
日生は中居の女性トラブルを巡り、フジテレビ社員の関与が報道されていることなどを総合的に判断したと説明。19日から当面、「千鳥の鬼レンチャン」と「Mr.サンデー」のCMをACジャパンに差し替える。20日からは「めざましテレビ」でも変更する。
明治安田生命保険も公式サイトで「当社では、フジテレビをめぐる一連の報道内容等を総合的に勘案し、当面の間、同局で放映するCMを差し止める等の対応をいたします」とした。また、NTT東日本やアフラック生命保険も同様の対応を表明し、同局へのCM対応を見直す動きが広がった。継続した場合、企業イメージに打撃となりかねないと判断したとみられる。
フジテレビのCM編成には18日から、明らかな変化があった。毎週土曜日の情報番組「めざましどようび」が午前6時から放送されたが、ACのCMが目立った。関東地区では、約2時間半の番組内で12本流れた。
ACのCMは枠に空きが出た場合や地震など有事の際、企業がCMを自粛した場合などに使用される。この日の「めざましどようび」は同7時40分ごろまでACは2本だったが、以降は番組終了までの約40分で10本に急増。その間、のべ29本のCMが流れたが、3割強がACだった。次の番組までの2本を合わせると、ACは14本を数えた。前週11日の同番組の放送内で、ACのCMは0本だった。番組内では、17日の記者会見内容を約7分にわたって報じたが、西山喜久恵アナら番組出演者の言及はなかった。
フジテレビは17日、昨年12月に中居の女性トラブルが報じられて以降、初めて会見を行った。港社長が冒頭で「多大なご心配、ご迷惑をおかけし、説明ができていなかったことをおわびします」と謝罪し、これまでの経緯などについて説明。外部の弁護士を中心とした調査委員会を立ち上げて、社員の関与の有無などを検証する方針を示した。一方で、具体的対応などに関する質問には調査を理由に、回答を控える場面が目立った。
◆ACジャパン 日本国内でメディアを通した公共広告により、啓発活動を行う公益社団法人。1971年に大阪で前身の任意団体「関西公共広告機構」として発足。74年から「社団法人公共広告機構」になり、09年に現名称となった。運営は全国の企業や団体、一般個人による会費制で成り立っており、現在の正会員社数は1000社以上。創設時から「公共マナー」「環境問題」「ネットモラル」などさまざまなキャンペーンを展開し、東日本大震災など大災害が発生した時の臨時キャンペーンも行っている。広告は無料。