第47代米国大統領に就任した共和党のドナルド・トランプ氏は20日(日本時間21日)、ワシントンDCの連邦議会議事堂内で行われた就任式で行った就任演説の中で、かねて主張していた「メキシコ湾」の「アメリカ湾」への呼称変更への意欲をあらためて表明した。
トランプ氏の就任演説は、CNNなど米メディアが生中継で報じた。この中でトランプ氏は「米国は地球上、最も偉大で強力で、最も尊敬される国として正当な地位を取り戻し、世界から尊敬と称賛を浴びるだろう」とした上で「我々は間もなく、『メキシコ湾』の名前をアメリカ湾に変える」と主張した。
この問題をめぐっては、メキシコのシェインバウム大統領が「『メキシコ湾』は国際的に認知されている」と反論。1月8日の会見で、17世紀の北米地域の地図を背景に、北米大陸が「メキシカン・アメリカ」と呼ばれていたとした上で、スペイン語で「アメリカ・メヒカーナ(メキシカン・アメリカ)」と呼んでもいいのではないか、と皮肉交じりに「逆提案」する事態になっている。
一方、トランプ氏は就任演説で、第25代のウィリアム・マッキンリー大統領の名前から取られたアラスカ州にある北米最高峰「マッキンリー」が、現在「デナリ」となっていることを念頭に「マッキンリーに戻す」とも訴えた。「マッキンリー大統領は、関税と才能で米国を大金持ちにした。彼は天性のビジネスマンだ」と述べ、自身が「辞書の中で最も美しい言葉」とする関税政策への共感をほのめかした。
また、メキシコ湾改称と同様に主張を続けてきたパナマ運河の所有についても「中国がパナマ運河を運営している。我々は中国ではなく、パナマに与えたのだ。それを取り戻す」とあらためて主張。再び国際社会からの反発が予想される。