フジテレビ出身の神奈川県の黒岩祐治知事(70)は21日の定例会見で、中居正広(52)をめぐる女性トラブルに関し、古巣である同局の港浩一社長が17日に開いた記者会見が、出席できるメディアが限定された上に映像取材が認められなかったことについて、不信感をあらわにした。
黒岩知事はフジ在籍中、報道番組のキャスターを長く務めた。今回の問題について記者から感想を求められると「報道を見ているのがつらい。本当に残念でならない」と口にした。
「私はフジテレビを愛しているし、フジテレビが私を育ててくれた。ずっと愛着をもっている」としながらも、港社長の会見のあり方には強い疑問を示した。 「社長会見は私も(番組での報道があると思って)見ていた。当然中継があると思っていたが、いつまでたっても始まらない。夜に会見するのかなと思ったくらいだったが、(見ていた番組で)『今、記者会見が終わりました』というリポートがあり、それを聞いてびっくりした。中継しなかったのかと…」と、驚いたことを明かした。
さらに「後から見たら、映像もない。定例の社長会見を前倒ししたからだという理屈だったようだが、それを聞いた瞬間、がくぜんとした。そんなことがあり得るのかなというか…」と述べ、自身の経験に照らし合わせて今回の対応の異常さに言及した。
「私も報道の最前線でやってきた。どこかの企業が不祥事を起こしたら、真っ先にとにかく記者会見をやってくれ、と迫った方だ。社長とかが出てこなかったり、テレビカメラを入れるのがだめだと言われたら、冗談じゃない、と言って強く抗議をした経験がある」と述べ「それが逆の立場になった時に、テレビカメラを入れない、映像を撮らせないという意思決定が(フジで)行われたこと自体が、信じられないですよね。なんでそんな決定が行われたのか」と硬い表情に言及。「社長は報道出身ではないが、役員には報道出身もいる。どうして、テレビを排除する意思決定が行われたのか、私はいまだに信じられない」とも語った。