Infoseek 楽天

【将棋】史上初の女性棋士誕生ならず 西山朋佳女流3冠がプロ試験不合格 あと1歩届かず

日刊スポーツ 2025年1月22日 17時55分

将棋の西山朋佳女流3冠(白玲・女王・女流王将=29)が22日、大阪府高槻市の関西将棋会館でプロ棋士編入試験5番勝負の第5局に臨み、柵木(ませぎ)幹太四段(26)に敗れ、対戦成績を2勝3敗としてプロ試験に不合格、将棋史上初の「女性棋士」の誕生はならなかった。

勝てば合格、負ければ不合格の運命の大一番。序盤で飛車を左翼へ展開する「振り飛車」を得意とする西山は、自らのスタイルを崩さず、飛車を3筋に振る三間飛車を選択した。

両者は奨励会三段時代に5回対戦があり、柵木が全勝している。西山対策の準備を整え、全力で倒しにきた相手に真っ向勝負を挑んだ。

劣勢だった終盤戦でも積極的に攻めた。豪快な攻めの棋風から「剛腕」「暴れ馬」とも評される生粋の勝負師タイプだ。最後まで逆転の一手を狙ったが、あと1歩届かなかった。

編入試験は新人棋士5人と対局し、3勝すればプロの四段に昇段。3敗した時点で不合格となる。西山は第1局で先勝したが、その後は2連敗。後がなくなった第4局のかど番をしのぎ、最終局に望みをつなげた。

西山は棋士養成機関「奨励会」の最高段位となる三段まで昇段したが、21年に退会。プロ棋士を断念し、女流棋士に転向した。

将棋のプロは棋士と女流棋士がいて制度が異なる。棋士になるには奨励会を突破するか、編入試験合格が条件となっている。

現在のプロ制度の原型ができてから100年で、約350人がプロ棋士になったが、すべて男性だ。新たな歴史の扉は、こじ開けることができなかった。【松浦隆司】

この記事の関連ニュース