英国のヘンリー王子(40)が22日、英大衆紙ザ・サンなどを発行する新聞社ニューズ・グループ・ニュースペーパーズ(NGN)を相手に、プライバシーを侵害されたなどとして訴えていた裁判で和解が成立し、1000万ポンド以上の損害賠償金が支払われることで合意したと米ピープル誌が報じた。
電話の盗聴など違法な手段で個人情報を収集する取材活動が行われたとしてNGNを提訴していた裁判は21日にロンドンの高等法院で始まり、来月には王子が出廷して証言することが伝えられていたが、和解を巡る協議のため延期されていた。
同誌によると、NGN側が違法行為を認めて全面的かつ明確な謝罪を申し出て多額の賠償金を支払うことで、両者が合意に達したという。今回の和解に際し、王子の母であるダイアナ元妃の私生活への干渉があったことも認めているという。
和解が成立したことを受け、王子の弁護士は「1996年から2011年にかけてザ・サン紙が私立探偵による違法行為もあったことについて、全面的に謝罪する」「NGNは王子の私生活だけでなく、亡き母ダイアナ妃の私生活に対する広範囲な報道と深刻な干渉がヘンリー王子に与えた影響についても謝罪する」との声明を発表。「画期的な勝利」だと述べている。
この件に関し、バッキンガム宮殿はコメントを差し控えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)