俳優松坂桃李(36)が24日、都内で行われた、主演映画「雪の花ーともに在りてー」(小泉堯史監督)公開記念舞台あいさつに登壇した。
江戸時代末期を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘と闘った1人の町医者の実話を描く物語。天然痘の絶対確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医者・笠原良策を松坂が、良策の妻千穂を芳根京子(27)が演じる。
松坂は約6年ぶりの時代劇出演だったといい「改めて『時代劇、いいなあ』と思った」とにっこり。良策が教えを求めた蘭方医・日野鼎哉を演じた役所広司(69)とは5度目の共演で「毎度毎度セリフを受ける印象が違う。今回は良策という役を飛び越えて僕自身にぐさっと刺さるものがあった。すごかったです」と振り返った。
役所は「先輩をたてて…。ほめてくれてありがたい」とにやり。松坂について「とにかくこの良策という役がものすごく合ってる。誠実で志に向かい、諦めない男にぴったり。普段はどうか知りませんけど…(笑い)」と笑いを誘いつつ、「この役は松坂くんしか思い浮かばない」と絶賛。松坂は「今日は本当にゆっくり寝られそうです」とほっとした笑顔を浮かべた。
舞台あいさつの最後に小泉監督は、同作の撮影を務め、16日に急性心筋梗塞のため87歳で亡くなった映画撮影監督の上田正治さんをしのんだ。「昨日葬儀が終わりました。僕は50年近くずっと一緒にやってきました。フィルムで撮れる彼のような人はいないと思う。惜しい人を亡くしたなと思います」と語った。
そして「これが上田さんの最後の作品になります。上田さんの良さはスクリーンじゃないと見られないと思うので、見ていただけたらうれしく思います」と伝えた。