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毎熊克哉が桐島聡容疑者演じる「『桐島です』」7・4公開、北香那が「時代おくれ」カバー披露

日刊スポーツ 2025年1月29日 10時58分

毎熊克哉(37)が、連続企業爆破事件に関与したとして指名手配され、49年もの逃亡の末、24年1月29日に70歳で死亡した桐島聡容疑者(被疑者死亡で不起訴処分)の人生を演じた主演映画「『桐島です』」(高橋伴明監督)の公開日が、7月4日に決定した。東京・新宿武蔵野館ほかで公開となる。また、北香那(27)ら共演陣が29日、一斉に発表された。

「『桐島です』」は、国内の映画賞を席巻した22年「夜明けまでバス停で」の高橋伴明監督(75)と脚本家・梶原阿貴氏(51)が同作同様、実際の事件に着想を受けて企画し、共同脚本を手がけた史実にフィクションを織り込んだ社会派エンターテインメント作品。当時の映像、新聞も出てくるが、桐島容疑者が工務店に住み込みで働き「内田洋」を名乗り生き続けた日常に力点を置いた。淡い恋愛模様など逃亡と表裏一体にあった1人の男の青春も描かれた。毎熊は報道、数少ない情報から、手配書に貼られた写真そのものの外見を完成させ、逃亡人生を1人で演じきった。

桐島容疑者が加入した「東アジア反日武装戦線」のグループの1つ「さそり」のメンバー宇賀神寿一を奥野瑛太(38)が演じる。北は、桐島容疑者と相思相愛となるミュージシャンのキーナを演じる。劇中では、河島英五さんの86年の名曲「時代おくれ」のカバーを披露し、新境地を見せた。

謎の女役を、高橋監督の妻の高橋恵子(70)が演じる。脚本に触れ、夫の伴明監督作品に初めて自ら出演を希望したという。

さらに、22年「さすらいのボンボンキャンディ」(サトウトシキ監督)で好演した原田喧太(54)と影山祐子のコンビが、バーの店主役と工務店の事務員役で出演。甲本雅裕(59)山中聡(52)白川和子(77)下元史朗(76)趙珉和(45)といった、高橋組に縁の深い俳優陣が脇を固めた。

撮影は昭和、平成、令和の3つの時代を舞台として描くため、24年7月23日から8月15日まで東京・高田馬場場、御徒町、神奈川県横浜市寿町、金沢文庫、千葉県市川市、我孫子市、いすみ市、埼玉県入間市、茨城県なめがた地区、福島県いわき市など各地でロケが行われた。

ティザービジュアルも公開され、高橋監督がコメントを発表した。

○…高橋伴明監督 昨年(2024年)の2月に入ってすぐだったと思う。別件で会っていた(本作企画の)小宮女史から、突然「桐島撮らんといかんでしょ」という言葉が飛び出した。頭の中で白いガラス玉が砕けた。連赤映画(『光の雨』)のオトシマエをつけろーーと聞こえた。そう、あの時代を共に生きた我々にはその責任があるのだろう。すぐに脚本の梶原に電話をした。案の定、すでに桐島のスクラップをつくっていた。ウソツキ部分はオレが責任を持つ。

◆「『桐島です』」1970年代、高度経済成長の裏で社会不安が渦巻く日本。大学生の桐島聡は反日武装戦線「狼」の活動に共鳴し、組織と行動を共にする。しかし、74年の三菱重工爆破事件で多数の犠牲者を出したことで、深い葛藤にさいなまれる。組織は警察当局の捜査によって、壊滅状態に。指名手配された桐島は偽名を使い逃亡、やがて工務店での住み込みの職を得る。ようやく手にした静かな生活の中で、ライブハウスで知り合った歌手キーナの歌「時代遅れ」に心を動かされ、相思相愛となるが…。

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