将棋の第37期竜王戦を制した藤井聡太竜王(名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=22)の就位式が29日、都内のホテルで行われた。今期の7番勝負はタイトル戦に初めて登場してきた佐々木勇気八段(30)を4勝2敗を下して、4連覇を達成した。
藤井は謝辞で、「今期の竜王戦は第1局から第6局まですべて違う戦型に進みました。初めて経験する展開や手筋もあり、将棋の奥深さを感じました。同時に慣れない展開の中で差をつけられてしまうことも多く、自分自身の未熟さも同時に感じました。対局の中では難解な中盤戦が続いた第1局、佐々木八段の鋭い攻めの前に完敗となってしまった第4局が印象に残っています。それぞれ自分の強みと弱みが表れた対局だったと思います」と振り返った。
新年を迎え、4連覇がかかっているALSOK杯第74期王将戦は挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に連勝。来月2日には高知市で、やはりタイトル戦初登場となる増田康宏八段(27)の挑戦を受ける、第50期棋王戦コナミグループ杯5番勝負が開幕する。
重要な対局は続くが、もともと間隔が詰まった方が実力を発揮できるタイプ。竜王戦は来期5連覇を達成すれば「永世竜王」の称号を得られる。これにも触れ、「今期の経験を生かして、来期に向けて実力を高めていけるようにこれからもしっかり取り組んでいきたい」と決意を語っていた。