菊地幸夫弁護士(67)が30日、カンテレの情報番組「newsランナー」(月~金曜午後4時45分)に出演。森友学園問題に関する財務省の決裁文書改ざんを苦に自殺した赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(53)が、財務省から大阪地検特捜部に提出された関連文書を不開示とした同省の決定取り消しを国に求めた訴訟の控訴審について言及した。
大阪高裁(牧賢二裁判長)はこの日、開示を命じる判決を言い渡した。請求を退けた1審判決を取り消し、雅子さん側が逆転勝訴した。
牧裁判長は判決理由で、文書改ざん事件が既に不起訴とされ捜査が終結しており、開示しても「捜査に支障を及ぼす恐れがあるとはいえない」とした。また捜査機関が対象文書を取得することは一般的な手法で、任意提出を求める範囲は網羅的になると指摘。文書開示により捜査方針が明らかになるとはいえず、将来の同種事件の捜査にも支障があるとは認められないと判断した。
菊地弁護士は「当たり前のことを言っていただいた。法律には基本的には開示しなさい、ただこういう場合は例外ですと書いているんです」と判決を評価。国側が「捜査への支障」を理由に開示を拒んできたことに「具体的な捜査の支障がどこにあるのかっていうのは非常に疑問な事案」と語った。
続けて「フジテレビの問題もそうですけど、何か不祥事があったときには隠さないで開示するのが組織としての重要なポイント。フジテレビはそれが問われているんですけど、国はこの問題で隠して、隠して、隠してきてるんですからね。これはぜひ改めていただきたい」と要望した。