読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏は1日、日本テレビ系「ウェークアップ」(土曜午前8時)に出演し、中居正広氏(52)の女性トラブル報道に端を発し、フジテレビが1月27日に開いた記者会見の運営方法に「非常に問題がある」と、強い違和感を指摘した。
当日の午後4時に始まった会見は、出席者を限定せず、時間も無制限で行われたため、日をまたいで翌日の1月28日午前2時23分まで10時間23時間続く異例の展開に。出席した役員5人の回答に納得できない一部の記者が声を荒らげるなど、何度も紛糾する場面があり、一部記者のルール順守を含む会見でのマナーに、SNSを中心に批判が寄せられる結果になった。
橋本氏は「記者会見(の運営)は、非常に問題があると思う。エンドレス。1日24時間しかないのに(無制限とは)どういうことですか」と、疑問を呈した。
その上で、「私がもしあそこの場にいたら、2時間で休憩時間を設けましょうと、こちらからから言います。フジ側からは言えない。そんなことをやろうものなら、全然反省がないと厳しくしかられるだけだから、記者の側からこういうルールでやりましょうと。(ルールとして設定されていた)1人2問もきちんと守りましょうという具合に言うべきだったと思う」と持論を口にした。「そうじゃなければ、こんな無秩序状態の中で…。限られた時間の中で相手から(有効な答えを)引き出すかという工夫は、記者会見で質問する側の技量が発揮されないとおかしい。ただそれぞれが好き勝手なことを、と言っては悪いが、ということでいいのか。逆に、引き出すことを引き出すことができない、という印象を受けた」と、感想を口にした。
この意見に、当日の会見に出席した際に質問者に求められる心構えを指摘し、不規則発言をいさめた「通販新聞」の記者とともに高評価を受けたニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長で「イシケン」こと、石田健氏は「本当にそうだと思います」と、応じた。
石田氏は「実際に私が会見のなかで、当初女性のプライバシーや、今回起きた事案に対して問うようなヤジがかなり出た。怒号がかなり飛び交う中で、これが二次加害にならないかということを、みなさんに、1度フジも記者側も考えましょうということを言った。その後に1度、休憩が取られた経緯がある」と、述べた。
「不勉強で参加していないか?ということもそうですし、個人の責任は第三者委員会でない限り問えないので、だからこそ(企業の)制度や仕組みやガバナンス、構造の問題にフォーカスすべきだと思う。そういう観点があまりにも少ないのは、記者側の問題として非常に大きい」と苦言を呈した。