岩屋毅外相は4日の衆院予算委員会で、東京・赤坂にある衆院議員宿舎の自室に不審者が侵入する事案が発生したことについて説明を求められた。
岩屋氏は「ご心配をおかけしたことは申し訳なく思っている。議員宿舎の私の自室に見知らぬ人が侵入する事案があったのは事実です」とあらためて認め「それ以上の詳細は、警備上の理由によりお答えを控えさせていただきたい」と、詳細についてはコメントを避けた。
立憲民主党の大西健介議員から「大臣は不審者とはち合わせした時、相手と話したと聞いているが、相手は何を言っていたのか。また、大臣はお帰りいただいたと話しているが、なぜそこで警備員を呼んでその場で警察に引き渡さなかったのか」と問われたのに対し、答弁した。
今回の事態を受けて「議員宿舎のセキュリティーをさらに強化して頂きたいということを申し上げたが、警備会社によるものも含め、今、警戒が強化されていると承知している」とも述べた。
これに対し大西氏は、「警備は強化してもらわないといけないのは当然ですが、犯人の目的や動機、侵入の手口を明らかにしないと。外交責任者や総理も住まわれている場所のセキュリティーの問題なので、それはちゃんとやっていただきたい」と指摘した。
また、侵入した不審者が一定時間、岩屋氏の部屋にとどまっていた可能性が高いとして、大西氏が「盗聴器などが仕掛けられていないか、調査されましたか?」と問うと、岩屋氏は「何の被害もありませんでしたし、部屋の中も自分で調べたが、何の変化もありませんでした」と、自分の調査では変化はなかったと強調した。
この答弁には、委員会室内も少しざわついた。大西氏は「盗聴器は自分で見つけられるものではない。ちゃんとした専門家に調査してもらわないとだめなんじゃないかと思う」と、調査内容が甘いとして苦言を呈した。
一連の事態は1月30日、「デイリー新潮」の報道で発覚。トランプ米大統領の就任式で訪米中、留守にしていたはずの宿舎自室に岩屋氏が帰国した際、面識のない女性と「はち合わせ」になったという内容。岩屋氏は同日、報道内容を事実と認め「何の被害もなく、すぐにお帰りいただいた」と説明。岩屋氏が日本を出発する際「うっかり施錠せず部屋を出ていた」とする政府関係者のコメントも報じられた。