4連覇を目指す藤井聡太王将(竜王・名人・王位・王座・棋王・棋聖=22)が永瀬拓矢九段(32)の挑戦を受ける、将棋の第74期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局が5日からの2日制で東京都立川市「オーベルジュ ときと」で行われる。両対局者は4日、現地入り。対局場の前日検分を行った後、同市内のホテルで行われた前夜祭に参加した。
藤井はここまで連勝し、かけ持ちする棋王戦5番勝負第1局(2日、高知市)でも増田康宏八段に先勝したばかり。むしろ、間隔が詰まった方がいいタイプだ。昨年3連覇を達成したのと同じ場所で、今期は4連覇への足掛かりを築きたい。「なじみの深い対局場所。ここまで先手と後手で1局ずつ指して、課題も見えてきた。それを生かして集中してよい対局ができるよう、全力を尽くしたい」と抱負を語った。
現在タイトル獲得通算26期(内訳は竜王4、名人2、王位5、叡王3、王座2。棋王2、王将3、棋聖5)。王将戦か棋王戦のどちらかを先に防衛すれば、谷川浩司17世名人の通算27期に並ぶ。両方防衛なら、年度内に谷川を越える。
対する永瀬は、「立川立飛対局は2回目。4年前の第70期は挑戦者として3連敗の後、ここが勝って、2連勝した。同じような状況ですし、1局でも多く勉強できるには勝つしかありません。盤上に集中したい」と気合を入れた。
今回も勝負メシとおやつにも注目される。「対局で体重が減る棋士は多いのですが、私はかなり増えています。食べる量を控えて、カロリーを減らしたい」とも話し、来場者を笑わせていた。
対局は5日午前9時、永瀬の先手番で始まる。