東京、大阪の主要テレビ番組製作会社約120社が加盟する一般社団法人「全日本テレビ番組製作社連盟(略称ATP)」は5日、公式サイトで、スポンサー撤退などが相次いでいるフジテレビに対し、レギュラー番組の予算や本数の確保、局都合による休止や仕様変更にともなう作業への対価の補償などを求める声明を公開した。
同連盟は「フジテレビに対する要望書」と題した、1月30日付の書面を公開。「番組の中止や広告の差し替えにともなう自主返金作業などフジテレビを大きく揺るがす事態に対して、ATPには会員社から数多く不安の声が寄せられています」と説明した。
また、再編集や内容変更などの負荷などから、「零細企業も多いATP会員社にとって、番組終了や発注キャンセルが即倒産につながるケースも容易に想定されます」と指摘。そのためフジテレビに対して、以下の4点を求めた
「レギュラー番組の通常予算や本数の確保」
「局の都合による休止や仕様変更にともなう作業への対価の補償」
「予算一律カットなどを行わず双方で適正な製作取引を目指す」
「4月編成の見通しを早期に提示いただく」
▼発表全文
ATPからの要望書
いま、テレビ業界はかつてない激震に見舞われています。
ATPは、今回の中居氏トラブルに端を発する事案を業界全体として信頼回復に取り組むべき重要課題であると認識しています。
第三者委員会の設置や総務省の要請を受け事態の究明にご尽力の渦中と存じますが、日々番組を送り出す製作会社の使命を十全に果たすため、あえてこの書面をしたためる次第です。
番組の中止や広告の差し替えにともなう自主返金作業などフジテレビを大きく揺るがす事態に対して、ATPには会員社から数多く不安の声が寄せられています。
納品済み番組の緊急再編集、取材先のキャンセルによる急な内容変更など、その影響は製作会社だけでなく撮影・編集などの協力会社にも及びます。現場スタッフの疲弊につながる過重労働も避けなければなりません。零細企業も多いATP会員社にとって、番組終了や発注キャンセルが即倒産につながるケースも容易に想定されます。
4月改編を目前にATPとして以下の項目につきまして特段のご配慮を要望致します。
・レギュラー番組の通常予算や本数の確保。
・局の都合による休止や仕様変更にともなう作業への対価の補償。
・予算一律カットなどを行わず双方で適正な製作取引を目指す。
・4月編成の見通しを早期に提示いただく。
ATP40年の歩みを振り返れば、フジテレビの番組から日本のコンテンツ産業を支える製作会社の多くのトップクリエイターを輩出できた事は私たちの誇りでもあります。
その豊かな製作土壌を将来にわたって維持するためにも、信頼の早期回復を切に願っております。
要望をご理解いただき、何卒ご配慮のほどよろしくお願い申し上げます。