自民党内で、選択的夫婦別姓への認識で賛否が割れていることをめぐり、昨年9月の総裁選で賛成の意向を示した小泉進次郎元環境相(43)に対し、5日夜に放送されたBS-TBS「報道1930」(月~金曜午後7時30分)の中で、出演者から「思いを貫いてほしい」と要望が寄せられる場面があった。
進次郎氏は5日、同番組に公明党の西田実仁幹事長、立憲民主党の長妻昭前政調会長とともに出演。選択的夫婦別姓への対応をめぐっては、自民党の森山裕幹事長が4日の会見で、国会で関連法案を採決される際には、党議拘束をかける必要性にあらためて言及。今後党内議論が始まるが、意見集約には相当の困難さが予想されている。
番組で、「自民党は(賛成と反対の)2つに考えが分かれているようです」と司会者に指摘された進次郎氏は「2つではありません。(通称使用拡大を訴える)高市さんのお考えになっている案もあれば、別の案を考えていらっしゃる方もいる」と述べ、党内に複数の案があると指摘。「(森山氏が言う)党議拘束をかけるという方向性で進むとすれば、いかに多用な党内の意見をまとめていけるかということ。党内で議論をしてまとめていきたい、ということで臨みたい」と語った。
1つの法案にまとめるのかという趣旨の質問には「多用な考え方があり、これで(党内が)混乱を起こすのはいけない。どのように思いを一致するか。大変な議論と思いますが、まとめていける方向にそれぞれが努力をしないといけない」と、意見集約の必要性を訴えた。
これに対し長妻氏は、選択的夫婦別姓導入の必要性に触れた上で「小泉さんは総裁選のとき、自分は賛成だと。(自分が総裁になれば)法律を提出して(採決では)党議拘束をかけないと明言された。それを貫徹してほしい」と指摘。「自民党が党議拘束をかけなければ、法律はいい形で成立するのではないか」とも述べた。
長妻氏の指摘に、進次郎氏は「私はその通りに訴えましたが、私は総裁選で負けました」とした上で「私が当時訴えた考え方とは違うけれど、党議拘束をかけるという方向で臨んでいる。そういった中で、党内ででそれぞれ一致をみれるように努力をしないといけない」と述べるにとどめた。
この発言に、コメンテーターとして出演している堤伸輔氏は「小泉さんの大人の対応(での発言)だと思う」とした上で「総裁選であの言葉を聞いた時、ようやく自民党の有力議員の中で党議拘束を外すということを言う人が出てきたと思い、小泉さんの言動のすべてを支持するわけではないが、あの時はちょっと感動した」と述べ、「(選択的夫婦別姓は)それだけ強く、国民の中に望んでいる人がいる。党議拘束には問題なことが多く、ぜひ(外すという考えを)貫いてほしいと思います」と求めた。