国際弁護士の吉田大氏は6日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜午後1時55分)に出演し、ドジャース大谷翔平選手の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われた水原一平被告(40)に対する量刑言い渡しが現地時間の6日(日本時間7日)に言い渡されるのを前に、検察側、水原被告側双方の考え方などを解説した。
水原被告に対して、ロサンゼルスの連邦地検が禁錮4年9カ月と釈放後3年間の保護観察処分、大谷への約1659万ドル(約25億7000万円)の賠償などを求刑したと先月23日(日本時間24日)、複数の米メディアが報じた。水原被告側は連邦地検との司法取引に応じて罪を認めたが、被告側が求めたのは禁錮1年6カ月への減刑。検察側の求刑とは大きな開きがある。
MCを務める宮根誠司に、司法取引をすることで減刑してもらえるのかと問われた吉田弁護士は「(米国の)量刑ガイドラインに基づき、そこに司法取引をして多大な貢献をすると、ガイドライン(の量刑)から外れて、減刑がワンチャン、もらえるというところを(弁護側が)狙った戦略だと思う」と述べた。
一方で、禁錮だけを見ても、検察側求刑の4年9カ月と、情状酌量を求める水原被告側の1年6カ月に開きがある背景について「今回、検察側は大スターに対する大きな犯罪で将来的な犯罪を抑制する意味も含めて、これだけ(司法取引に)協力したにもかかわらず、司法取引の効果に関してはゼロ回答という、大変厳しい立場を取っています」とも分析した。
量刑ガイドラインでは、水原被告のようなケースでは禁錮4年9カ月~5年11カ月が妥当とされていることにも触れ「司法取引をすることで、この量刑ガイドラインよりの加減よりも軽くなる、だから司法取引をしようと弁護士としては言いやすいが、このような主張をされてしまうと、クライアントから『司法取引をしたから短くなるんですか』と言われた時に、『いや、あの件があるので』みたいになりかねない」と、今後への影響の可能性にも言及した。
検察側と弁護側の主張には「大きな大きな開きがある」とした上で「量刑ガイドラインのほかに、連邦保護観察所の『4年程度が妥当』という言葉がある。量刑ガイドラインの4年9カ月と、連邦保護観察所の4年を大幅に下回るということでは、弁護側としては異例の主張をしている」と、水原被告の代理人を務めるやり手のマイケル・フリードマン弁護士の戦略にも言及した。
水原被告は昨年3月の開幕戦前にギャンブル依存症だとチームの前で告白し、大谷の口座から不正にお金を盗んだことが発覚して契約解除された。裁判資料によると、同被告は2021年11月ごろから昨年3月ごろにかけて違法スポーツ賭博で負けた額を取り返すために大谷の口座から約1659万ドルを盗み、胴元側に不正に送金していた。