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トランプ流無理筋要求なく、お互いほめ合うヨイショ合戦 石破首相が懸案の日米首脳会談乗り切る

日刊スポーツ 2025年2月8日 18時13分

石破茂首相は7日午前(日本時間8日未明)、トランプ米大統領と対面での初の日米首脳会談に臨んだ。トランプ氏が重視する関税など経済問題では厳しいやりとりもあったとみられるが、記者の前では2人ともお互いをほめ合う「ヨイショ合戦」。安倍晋三元首相も「高く評価していた」と、日本とは違った評価を受けた首相も「お世辞抜きで本当に誠実な方」と応じ、関係良好をアピールした。ただトランプ流は予測不能。日本は今後も振り回されかねない。

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ホワイトハウスに石破首相を迎えたトランプ氏は、意外にマイルドだった。首脳会談後の共同会見で石破首相の印象を問われると、「安倍晋三元首相も高く評価していた。非常に強い方。偉大な総理大臣になるだろう」と、べたぼめした。石破首相と安倍氏は、政治姿勢などをめぐり関係は良くなかったはずだが、トランプ氏は自身が信頼した安倍氏の名前を出しながら、石破首相を評価。撮影されたばかりの会談での写真をあしらった「大統領令」風のバインダーなどを贈る、気遣いの演出もみせた。

石破氏もトランプ氏をほめちぎった。「対面でお話しするのは初めてだが、ずっとテレビで見ていた人を間近で見る感動は格別」と述べ「テレビで見ると声高で、かなり個性強烈。恐ろしい方という印象がなかったわけではない」と正直に語りつつ「実際お目にかかると、本当に誠実。合衆国と世界への強い使命感を持たれた方と、まったくお世辞抜きで感じた」と評し、「大統領閣下」と敬称をつけて呼ぶ場面もあった。

イスラエルのネタニヤフ首相に次ぎ、トランプ氏の就任後2番目に面会した首脳となった石破首相。懸案の貿易問題などでトランプ氏の出方は読めず、緊張感も漂ったようだ。実際にトランプ氏は対日貿易赤字の解消を求め、状況次第で日本への関税も選択肢となるとの考えも示した。

ただ首相は、会見で「報復関税」に踏み切る可能性を問われると「仮定の質問にはお答えしかねるというのが、日本の国会答弁の定番」とアドリブで切り返し、明言しなかった。トランプ氏は「ベリー・グッド・アンサー」と、笑顔で連呼した。

今回は、日本に対する無理筋な要求はなかったとみられ、「あのトランプ氏と渡り合えるのか」としていた政界関係者も、ひとまず胸をなで下ろした初の日米首脳会談。一方で石破首相は今回も、会談でのだらしない座り方や、いすのひじかけに左手を置いたままトランプ氏と握手する振る舞いが、SNSで批判された。「座ったまま握手」などが問題視された昨年のアン米での国際会議に続いて、国際舞台での振る舞いに再び焦点が当たる機会にもなってしまった。

石破首相は会談後、帰国の途に就いた。

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