石破茂首相は9日、NHK「日曜討論」(日曜午前9時)に生出演し、7日午前(日本時間8日未明)にワシントンでの日米首脳会談で議題となった日本製鉄によるUSスチール買収計画をめぐり「USスチールは、あくまでアメリカの会社であり続ける」と述べた。
トランプ大統領は大統領選中から日本製鉄の買収計画に反対する意向を示してきたが、首脳会談後の共同会見では「買収ではなく多額の投資を行うことで合意した」「交渉を成立させるには、大規模な投資が必要だ」と述べ、今週、日本製鉄側と会談する考えを示した。
石破首相は、トランプ氏の発言の意図を問われると「具体的な数字については民間のことなので申し上げることはできない」とした上で「単なる買収ではないってことですよね」と指摘した。
「かつて『鉄は国家なり』という言い方もされ、鉄への思い入れはものすごくある。かつてUSスチールは世界一の企業だったが、日本に買われるとなると、琴線に触れちゃうわけです」と、米国側の立場を説明。その上で「単なる買収ではなく投資を行い、あくまでアメリカの会社であり続ける」と述べた。
「日本の買収で日本の会社になることにものすごく抵抗感があるとするなら、アメリカの企業であり続ける。そこで高品質のものを作り続けることが、トランプ大統領にしてみれば、すごく大事なことなのだと思います」と推し量った。