浪曲界初の人間国宝(重要無形文化財)に認定された京山幸枝若(70)が10日、大阪市内で「人間国宝認定記念公演」(2月28日、大阪・なんばグランド花月)の概要を発表した。
「浪曲をやめようかと考えた時期もありましたが、ここまでやってきてよかった。初めて浪曲を見るファンもおられるので、わかりやすい、おもしろい演目を用意します」
幸枝若は当日、「左甚五郎 掛川の宿」を演じる。また弟子の京山幸太(30)は超・新作浪曲「ギャルサー!」を披露予定。「とにかく若いファン、新しい浪曲ファンにアピールしたい」(幸枝若)と言う。
昨年、人間国宝に認定されたが、一般への浸透はまだまだのようで、浪曲教室に通い、幸枝若から学んでいる月亭八方(76)は「先日(幸枝若と)新大阪でご飯食べていたんですけど、周囲の誰も我々に気づかなかった」と苦笑。
記念公演では、西川きよし、八方らによる口上に続いて、幸枝若と幸太が浪曲を口演。さらに吉田裕(45)池乃めだか(81)島田一の介(74)末成映薫(77)浅香あき恵(68)らによる新喜劇「若き日の幸枝若」が上演される。
幸枝若を演じる吉田は「音痴なもので浪曲には苦戦しそう。僕で大丈夫でしょうか?」と弱音を吐くと、幸枝若が「音痴の人に浪曲は難しい」と追い打ち。幸太が「師匠は派手なパンツを好むので、せめてそれだけでもマネしてください」とアドバイスを送った。
2004年には父から幸枝若の名前を受け継いだ記念公演を開催したが、末成は「20年も前のこと、覚えてへんわ」。幸枝若も「わたしも何をやったか覚えてません。ただ新喜劇の皆さん、ほとんどセリフを覚えてなかった」と吐露。
その結果、午後6時開演の同公演が幕を下ろしたのは同11時のロングランとなり、終電を気にするファンが多かったという。2月28日の公演も午後6時開演。今回は波乱なく終われるだろうか?