将棋「第18回朝日杯オープン戦」準決勝、井田明宏五段(28)対服部慎一郎七段(25)戦が11日午前10時10分から東京・有楽町「朝日ホール」で始まった。先手後手を決める振り駒は、と金が4枚出て井田が先手となった。
先手の井田は竜王戦で一昨年6組3位で昇級。昨年は5組3位で昇級。2期連続昇級の規定により11月に五段となった。今回の朝日杯は2次予選スタート。初戦で大石直嗣七段、昨年の名人戦挑戦者の豊島将之九段を下して本戦に進出すると、1回戦でタイトル獲得経験者の久保利明九段、準々決勝では昨年の朝日杯ベスト4で、王将戦挑戦者決定プレーオフまで勝ち上がった西田拓也五段を倒した。
対する服部は今月5日の順位戦B級2組9回戦で藤井猛九段を下し、8勝1敗としてB級1組昇級と七段昇段を決めた。それ以来の対局となる。
今回の朝日杯は1次予選からのスタート。齊藤裕也四段、牧野光則六段、北浜健介八段を下して2次予選進出。2次予選で谷川浩司17世名人、石川優太五段を下し、本戦入りした。本戦1回戦で谷川と同じ名人獲得経験者の丸山忠久九段を倒すと、準々決勝で初顔合わせとなった藤井聡太7冠を倒す大金星を挙げた。22年と24年には新人王戦優勝。藤井だけでなく、羽生善治九段、森内俊之九段、渡辺明九段らのタイトル保持者もかつて優勝しており、文字どおり出世を約束された公式戦を2回制した大器が、ついに本領を発揮しそうだ。
両者の対戦成績は井田4勝、服部5勝。直近は井田が連勝している。
同じ時間に同所では佐々木勇気八段(30)対近藤誠也八段(28)戦も始まった。同日午後からは準決勝の勝者同士による決勝が行われる。