将棋「第18回朝日杯オープン戦」準決勝、佐々木勇気八段(30)対近藤誠也八段(28)戦が11日午前10時10分から東京・有楽町「朝日ホール」で行われた。対局は角換わり腰掛け銀で攻めを巧みにつなげた近藤が、粘る佐々木を振り切って初の決勝進出を決めた。
「自玉も見ながら、攻めが続く形を意識しました。一気に行きたかったが(手順が)分からず、長い戦いでちょっとずつ良くして行ければと思いました」。昨年まで3年連続して王将戦挑戦者決定リーグに在籍するなど、トップレベルで戦い続けた経験を生かした。
ほおを紅潮させ、しばらく放心状態だった佐々木は「きつい負けだった」としぼり出した。「自分ではうまく指し進めたと思っていた。最善の手順を見つけられなかった気がします。何が悪かったかな。体感はいいはずだった。薄い受けをして攻めをつなげられた。きれいな手ではないが、粘る手を指すべきだった」と残念そうだった。
同じ時間に同所では井田明宏五段(28)が服部慎一郎七段(25)を下し、やはり初の決勝進出を決めた。決勝戦は午後から行われる。