将棋「第18回朝日杯オープン戦」決勝、井田明宏五段(28)対近藤誠也八段(28)戦が11日、東京・有楽町「朝日ホール」で行われた。対局は来期から名人戦挑戦者を争うA級順位戦に初昇級した近藤が初優勝。公式戦も初制覇となった。
敗れた井田の快進撃が止まった。この日午前の準決勝では本年度36勝4敗の勝率9割男、服部慎一郎七段に快勝。同じ準決勝で昨年の竜王戦挑戦者の佐々木勇気八段を下した近藤と、絶好調の2人に得意の雁木(がんぎ)をぶつけた。
「裏をかいても負けたら後悔する。慣れ親しんだ戦法で行こうと思いました」。序盤はまずまずだった。中盤、6筋にあった守備銀5筋にを引き、7筋の桂を無防備にした瞬間から形勢を損ねた。「一番まずい手だった。手に汗握る終盤戦に持ち込みたかっただけに悔やまれます」と語った。
近藤とともに、勝てば公式戦初優勝がかかっていた。お預けになった。
昨年11月に竜王戦ランキング戦で連続昇級して五段に昇段した。今年になって1月の朝日杯本戦では1回戦でタイトル獲得経験者の久保利明九段、準々決勝では昨年の朝日杯ベスト4で、王将戦挑戦者決定プレーオフまで勝ち上がった西田拓也五段を倒した。「今の自分には出来過ぎと思うが、それだけいつまでもいい結果が残せない。もうちょっと頑張りたかった」。今後の活躍に注目だ。