タレント活動の一方、動物愛護や慈善活動でも知られるデヴィ・スカルノ夫人(85)は12日、東京都内で記者会見し、日本初の犬猫の保護に特化した新党「12(ワンニャン)平和党」の結党を宣言した。代表に就任したことも明らかにした。
同党は今年7月に予定される参院選に候補者を擁立し、国政での議席獲得を目指すという。
夫人は会見で「なぜ、私が今、政治の舞台に上がるのか。不思議に感じておられると思うが、人と犬や猫が共生できる社会を目指している」とあいさつ。「私の人生は、戦争、敗戦、クーデターと波瀾(はらん)万丈でした。その人生の集大成として、政界に一石を投じようと立ち上がりました」とも述べた。
同党は、動物愛護と社会の共生を理念に掲げ、犬や猫に対する道徳観を先進国と共有することで、日本の国際的なイメージ向上にも貢献したいとしている。夫人は「犬猫の食肉禁止の明確な法制化」を最重要テーマに掲げ、「動物虐待の厳罰化」「殺処分ゼロを目指す」など12の政策も発表。日本では犬猫の食肉習慣はないものの、国内では約50店が食肉を提供しているとして「いちばんの目標は犬猫肉の食用禁止。我が国では関心が低いかもしれないが、近隣諸国では法律で禁止されてきている。国民のみなさまに理解され、禁止法が性急に成立されることを願っている」と訴えた。
会見には、デヴィ夫人と共同代表を務める実業家で、2014年に「世界愛犬連盟」を立ち上げた堀池宏氏のほか、昨年の東京都知事選に出馬した前広島県安芸高田市長、石丸伸二氏(42)の選挙戦を手掛けた選挙プランナーで、同党の選対委員長に就任した藤川晋之助氏(71)らが出席した。
夫人は「堀池さんに動物虐待の生々しい映像を見せられ、大ショックだった。彼らを食べることはあまりに悲しく、許せない。これまで、日本の政治家も分かっていて、行動に移せなかった。動物は同じ地球上に生きる仲間だ」と主張。「今の日本を根底から開拓したい。私自らが立ち上がらなければならないと決意を固めた」と述べた。