藤井聡太7冠(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=22)が8冠復帰を目指す、将棋の第10期叡王戦本戦トーナメント準々決勝、戸辺誠七段(38)戦が12日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は後手の藤井が、中飛車で挑んだ振り飛車党の戸辺を下し、4強入りした。
気合勝ちだった。藤井が初対決の戸辺を一蹴して401勝目を挙げた。「中、終盤の距離感が難しい将棋だった」と話す。開始前から扇子を手に盤を見つめるなど、対局に集中する姿勢を見せていた。
10日に都内で行われたNHK杯に勝ち、22歳6カ月と史上最年少での通算400勝を達成した。今月に入って、棋王戦5番勝負第1局(2日、高知市)で増田康宏八段に先勝。5、6日の王将戦7番勝負第3局(東京都立川市)で永瀬拓矢九段を下して3連勝と、白星を重ねている。
15、16日の王将戦第4局(大阪府高槻市)、22日の棋王戦第2局(金沢市)とタイトル防衛戦をにらみながら組まれる準決勝では、鈴木大介九段対糸谷哲郎八段の勝者と戦う。「挑戦を意識するほどではない。1局1局集中していければ」と気持ちを引き締めていた。