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駆除を行うのは観光客 海の厄介者の駆除ツアー 全国的に問題となっている「ムラサキウニ」の大量発生の問題解決に新たな試み 鳥取県岩美町

日本海テレビ 2024年8月7日 18時16分

全国的に問題となっているムラサキウニの大量発生。解決に向けて乗り出したのは意外な人たちでした。

岩のすき間に張り付いている大量のウニ。これは、海の厄介者・ムラサキウニです。増えすぎると海藻を食べつくしてしまい、藻場がなくなる「磯焼け」が起きてしまいます。全国の海で大量発生し、問題となっているのです。

こうした中、8月6日、鳥取県岩美町を訪れた観光客たち。

Q.今日はどこから来たんですか?

観光客

「神戸です!兵庫県!」

兵庫県から鳥取県に、目的は、岩美ブルーを満喫するダイビングです。準備をしっかりとしていよいよ出航。

観光ダイバー

「ダイビングは月に1回くらいやっています。楽しみです!楽しみで仕方がないです!」

田後港から出航し向かったのは、浦富海水浴場から北東に1kmほど離れた地点。山陰海岸ジオパークにも認定される美しい地形を楽しむダイビング。と思いきやー。

行っているのは大量発生したムラサキウニの駆除。ダイバーたちは、バールやハンマーを使いウニを駆除していきます。実はこれ、鳥取県岩美町でダイビングショップを営む山崎さんが企画した、ムラサキウニの駆除ツアー。

ブルーライン田後 山崎英治さん

「去年とおととし、鳥取県と漁業者と僕たち海で遊んでいるダイバーで、一緒になってウニ駆除を2年間していたんですけども、このまま終わるのはもったいないなという思いもあって」

これまでは、地元の漁業者やダイバーが連携して2年間にわたり駆除活動を行ってきました。地道な活動でしたが、ウニの数は減り藻場復活の兆しも。しかし、2年間限定の事業だったため今年は継続か中断かの岐路に立たされているのです。

そこで山﨑さんが駆除を継続していくため、都市部のダイビングショップに声をかけ、今回のツアーが実現しました。ほとんどの人が初めての駆除、岩の隙間をのぞいたり岩をひっくり返したりまさに宝探し感覚。するとー。

インストラクター

「みんなが割ったウニに魚が寄ってきてる」

割ったウニを食べに魚が群れ、普段のダイビングと違った楽しさを体験し、約1時間でウニ駆除終了です。

参加者

「思ったよりたくさんウニがいて、ワカメの姿はひとつも見られませんでした。岩の下ひっくり返してみてみたりとかのぞいてみたりとか、子ども心に戻ったような感じ」

「岩の隙間をのぞくのでタコとかサザエも見つけられて面白かったです。水中でウニが動いたりするから(駆除は)なかなか難しくて、そういうのもゲームみたいで面白いと思います」

今回始めて企画された観光ダイバーのウニ駆除、2か所で潜り、合わせて4087個のウニを駆除。これまでとは違ったダイビングに、魅力を感じたようです。

ブルーライン田後 山崎英治さん

「初めて行った2年前の1回目と比べると(ムラサキウニが)ずいぶん減ってきているなという印象があります。普段遊ばせてもらっている海なので、ウニ駆除活動でまた海藻が復活できるように続けていきたいなと思います」

海を楽しみながら海の課題に向き合う。海を守る新たなツーリズムに期待がかかります。

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