有名な窯元が集まり、工芸の郷と名高い鳥取市河原町の西郷地区。この地区で10月26日と27日、工芸作家たちの作品の即売イベントが開かれ、会場は多くの人でにぎわいました。
会場に置かれているのは、彩り豊かな工芸品の数々。黒・緑・白の色合いが美しい因州中井窯や、鳥取県唯一の人間国宝である前田昭博さんが作る白磁などが並びました。
10月26日に鳥取市で開かれたのは、工芸作品の即売イベント「西郷工芸祭り」です。会場には全国から14の工房が集まり、さまざまな工芸品を展示販売。来場者たちは一堂に会した工芸品たちに夢中になっていました。
来場者
「至福の時です。散財する時です」
「インスタに商品がアップされてて、予習してきました」
主催者は、多くの窯元を有する西郷地区だからこそ、工芸祭りを通して文化の発信や地域活性化を図っているといいます。
一般社団法人 西郷工芸の郷あまんじゃく 北村恭一 代表理事
「全国からいろんな方に来ていただいて、日本って面白いね、それぞれの地域にそんな面白いものがあるんだねと、どんどん広げていきたい」
入場整理が行われながらも、施設いっぱいに入り続ける来場者。そんな中、9回目の開催となる今年は、石川県の伝統「輪島塗」の技法を使った品々が登場しました。今回のイベントでは、能登半島地震で被害を受けた能登地方を応援しようと、石川県の輪島塗作家2人を招待したのです。このうち、後藤千佳子さんは、輪島塗の一部の工程を省いて艶を出し、木目を活かした作品を出品しました。中には、地震の被害をまぬがれた品もー。
漆芸家 後藤千佳子さん
「このおわんの木地。震災を生き抜いた木地です。ちょっとだけ傷がついていたりしたので、そこは傷をあえて隠さず」
また、会場には後藤さんが撮影したものを含め、14枚の石川県の写真を展示。災害を経験しながらも、作品作りを続けて輪島塗の技法を守りたいと話していました。
漆芸家 後藤千佳子さん
「漆って、何回も何回も塗ったり、研いだりを繰り返すので、ずっとやり続けていないと。(展示する機会があると)モチベーションは上がりますね。緊張もありましたけど、鳥取の方に作品を見ていただけるのは本当にうれしいので」
9回目となった今回の祭は、約1500人が訪れ、大いに盛り上がりました。
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