鳥取県警は11月1日、米子市内の90代男性が特殊詐欺の被害に遭い現金450万円をだまし取られたと発表しました。
警察によりますと、男性は一人暮らし。9月中旬ごろ、男性の自宅の固定電話にドコモショップの店員を名乗る男から「あなた名義の携帯電話が悪用されている」と電話がありました。続いて、検察官を名乗る別の男に電話を代わり「暴力団員を逮捕した。その暴力団員が持っていた携帯電話があなた名義で、その電話で詐欺などを行い、犯罪で得た約400万円をあなたの口座に振り込んでいると話している」などと指摘。男性は、400万円に心当たりがありませんでしたが、契約する金融機関や残高を聞かれたため、金融機関名などを伝えました。
検察官を名乗る男は「無実を証明するには400万円を出金して1枚ずつ調べる必要がある」などと話し、さらに10月3日~10月8日に50万円ずつATMで下ろし、自宅で保管するよう指示。これを信じた男性は、合計450万円の現金を自宅に保管していました。
10月中旬になって、「東京の警察がお金を取りに行く。現金を置くよう指示をしたら自宅前に置いてください」と電話があり、男性は現金450万円を封筒に入れ、玄関先に置いたということです。封筒を置いたことを男に電話で伝えると、電話が切れた直後に回収され、封筒はなくなっていました。
男性は、返金を約束された10月28日を過ぎても男らから連絡がなかったため、不審に思い親族に話したところ、詐欺の被害が発覚しました。
鳥取県では今年、こうした詐欺の被害が6件あり、被害総額は3400万円に上るということです。警察は、電話でお金の話が出たら相手が誰でも、まずは詐欺を疑うよう注意を呼び掛けています。