インターネットを通じたサイバー犯罪が増える現代。いざという時のために対応力を高めようと、警察官が知識や技術を競うサイバーコンテストが11月19日に行われました。
19日、サイバー事案の捜査に必要な知識や技術を競うコンテストが開かれ、鳥取県内9つの警察署職員31人が参加しました。出題されたのは、犯人の不正な操作をたどる問題や、被害が増える闇バイトに関する通信アプリ名を問う問題など。鳥取県内全ての警察署から、挑戦したいと願い出たり、推薦されたりした職員たちが所属部署を問わず挑みました。
専門知識の連続に悪戦苦闘する職員たち。答えを見つけるには、何を使って調べてもよいといいます。頭を抱えながらも真剣な眼差しで画面を見つめるその理由はー。
鳥取県警 サイバー安全対策課 有本一彦 次席
「サイバー空間の脅威に関する捜査活動などに必要な知識や技能の向上を推進して、人的基盤の強化を図る」
コンテストで目指すのは、捜査能力の向上。鳥取県で、年々サイバー犯罪の相談件数は右肩上がりに上昇し、去年は2127件に。検挙件数もなかなか減らない現状で一層の対処能力が問われているというのです。
全国では相談件数が20万件を超えるサイバー犯罪。4回目の開催となった今回は、サイバー犯罪に関するアドバイザーである教育機関から提供を受けた問題を採用し、より広い視野での対応力を試しているといいます。
鳥取県警 サイバー安全対策課 有本一彦 次席
「普段やっていることの成果を出しておりますので、身に着いた技能技術について今後はまたほかの職員に広めていって。サイバー空間の脅威に対処してもらえたらと」
コンテストは2時間にわたって実施。制限時間直前になっても、職員全員が真剣な眼差しでキーボードを叩いていました。所属する課に関わらず、発生事案や人事の異動によっては、誰しもがサイバー犯罪への心得が必要になるとしてー。
鳥取県警 生活安全部 山口由貴子 主任
「難しい問題もあり、自分の実力を知るいい機会になりました。インターネット犯罪で困っている人もいると思いますので、1人でも多くの方を救えるよう捜査に携わっていきたい」
また、オンラインで参加したこの職員は、普段から勉強している成果を出せたといいます。
浜村警察署 地域交通課地域係 西垣啓汰 さん
「サイバー犯罪は一般の方にはなじみがない、難しいという認識があると思います。わかりやすく伝えられるように努力していきたい」
特殊詐欺や闇バイトなど、巧妙化しながら身近に迫っているサイバー犯罪の被害。鳥取県警は、一層の対応力強化を目指すとともに、不審なメールやサイトは開かない、個人情報にはセキュリティをかけるといった心構えをするよう市民に呼びかけたいとしています。
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