自民・公明両党と国民民主党が合意した「103万円の壁」の見直しなど来年度の税制改正の議論に関連し、鳥取県は税収の2割以上に当たる約94億円が失われるとする試算結果を発表しました。平井知事は国に対し「地方への影響をしっかりと議論してほしい」と述べ、地方財政に影響が及ばないよう求める考えを示しました。
鳥取県の試算によりますと、「103万円の壁」の見直しやガソリン税の「トリガー条項の凍結解除」により、94億円の減収となる見通しです。内訳は個人税が49億円、軽油引取税・地方揮発油譲与税が27億円減り、さらに地方交付税も18億円減少するということです。
県とは別に市町村の減収も87億円に達するとの試算も示されました。
鳥取県の平井知事は「われわれは行政サービスを提供する立場で、医療費、子育て、貧困対策など毎年、執行する予算が必要」と話し、地方自治の実情に沿った対応を行ってほしいと強調しました。
鳥取県の税収は約570億円。税制改正で何の措置もなければ、2割以上の減収となり、行政サービスの維持が困難になると予想され、県民の生活にも大きな影響が及ぶことになります。こうした危機感を反映してか、11月21日の定例会見で平井知事は語気を強めました。
鳥取県 平井伸治 知事
「県民と地域に責任を負っている以上、減収と聞いて声を上げざるを得ない。このやり方は地方自治に対する信頼感のないやり方だ。われわれは中央省庁の言いなりではない。地方自治や首長を馬鹿にするなと言いたい」
総務省から全国知事会に対し、税収減を理由に税制改正に反対するよう“工作”があったとする一部メディアの報道を否定。中央省庁とのコミュニケーションは日常的にあるとしながらも、地方自治は独立した立場にあると指摘しました。
鳥取県 平井伸治 知事
「“工作”発言は解せない。意見を受け止めるの首長の責任で、(言いなりかのような話は)戦前の話でしょうか」
さらに、問題の震源となる発言をした国民民主党の玉木氏が財務省出身である点に触れ「玉木さんは分かっているのではないか。国民民主党には冷静に議論する度量があると思う」と述べました。