鳥取県立中央病院の医師に、今の時期に気を付けたい病気などについて伺うコーナー、今回のテーマは「糖尿病」です。
11月14日は「世界糖尿病デー」。世界中で糖尿病について考える日です。そこで、注意すべき点や最新の動きについて、糖尿病・内分泌・代謝内科の村尾 和良 部長に話を聞きました。
■ 糖尿病 未治療患者が多数!
Q.初期症状はどのようなものがありますか?
村尾医師
「基本的にないと思ってもらっていいかなと思います。よく言われる多尿などの症状もありますけど、基本的には、血糖値がよっぽど高くならないと出ない」
Q.自覚するのは難しいのですか?
村尾医師
「病院に来られる方は、ほとんど検診で引っかかったとか、たまたま検査したら引っかかった方がほとんどです」
糖尿病は、推定される患者が全国で1000万人にいるのに対し、医療機関に通院している患者は300万人程度と、未治療の患者が多くいるとみられています。さらにー。
村尾医師
「症状がないので、もう良くなったと思って、病院に来なくなる方が結構おられます。合併症と呼ばれるほかの病気がどんどん進んでいくことになりますので、次来られる時は合併症が進んで、という方も結構な数おられます」
■ 病名変更へ 第一候補は「ダイアベティス」
糖尿病を巡ってはいま病名の通称を変える動きが出ています。その理由についても伺いました。
村尾医師
「糖尿病が発症して治療する人が、ひとくくりで『お前は適当なやつだ』と差別を受ける、偏見を持って見られるということがかなり多いみたいでして、それを無くそうと。糖尿病で、病院に通うのが恥ずかしいと来られない方もいらっしゃると思うので、通院がしやすくなればいいのかなと」
慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、これまでもさまざまな病気が名称を変更してきました。
例えば…
・成人病→生活習慣病(1996年)
・精神分裂病→統合失調症(2002年)
・痴呆症→認知症(2004年)
■ 名称変更の理由
名称変更の理由としては
・偏見、差別を助長する
・症状を適切に示していない
・過剰な恐怖心、羞恥心を与える名前は適切な医療に結びつかない
既に「糖尿病(ダイアベティス)」と併記しているものもありますが、広く議論した上で、最終的に通称を変更するか、決めるということです。