日本被団協 田中 熙巳 代表委員
「核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが、原爆被害者の心からの願いであります」
日本時間の10日午後9時ごろ、ノルウェーの首都・オスローで行われたノーベル平和賞の授賞式。受賞した日本被団協の代表委員・田中熙巳さんがスピーチを行い、核兵器の廃絶を世界に向けて訴えました。
被団協の代表団の一人、本間恵美子さんは島根県松江市在住。今年6月から中国ブロックの代表理事を務めています。本間さんは被爆2世で、授賞式には小学生の頃に撮影した、広島で被爆した母との写真を持参しました。そして式を終えたあと、本間さんは日本海テレビの電話インタビューに応じました。
日本被団協 中国ブロック代表理事 本間 恵美子 さん
「大変感激致しました。街全体で喜んでくださって迎えてくださってました」
なかでも、ノーベル委員会のフリードネス委員長からの言葉に胸を打たれたといいます。
日本被団協 中国ブロック代表理事 本間 恵美子 さん
「『いままでは被爆者の方たちだけに語り部をお任せしていたけど、そうじゃなくて世界全体で取り組むべきだ』とおっしゃっていて、自分達で戦争を止めなきゃいけないというその思いを強く持っておられたんじゃないかと思います」
今回の受賞を受け、改めて今後の活動に向けての意欲を燃やしていました。
日本被団協 中国ブロック代表理事 本間 恵美子 さん
「“平和”、“戦争・核をなくすこと”。私たちにできることは微々たることですけど、皆さんの力が一緒になれば大きなこともできると思う。被爆者の皆さまの今までの積み重ねの上で私たちも今スタートラインに立って頑張っていかないといけない」
本間さんは、核の脅威が高まりつつある今こそ、世界が一つになって核廃絶に向けて取り組まなければいけないと強調しました。
また、島根県の丸山知事は11日の定例会見で、ノーベル平和賞の授賞式で日本被団協が核兵器の廃絶を世界に向けて訴えたことについて、次のように述べました。
島根県 丸山達也 知事
「人類を破滅させるだけの悪い意味での力を持っている核兵器ですので、そういうものの廃絶のために、人類の打算ではなくて、英知を結集して取り組むべきだという強い訴えに感銘を受けた」
その上で「被爆を経験された人は高齢化している。過去の歴史から我々も学んでいき、核廃絶への取り組みを若い世代が引き継いでいく必要がある」と述べました。