鳥取市の金属加工業「松村精機」が12月24日に事業を停止し、鳥取地裁に破産の申し立てを行う方針であることが分かりました。負債額は約2億2000万円の見込みだということです。
信用調査会社の帝国データバンクによりますと、松村精機は1968年創業で72年に法人化。地元大手の家電メーカーからの受注を中心に、金属のプレス加工や治具加工などを手掛け、99年3月期には売上高2億6000万円を計上していました。
2000年代になると、主力取引先だった家電メーカーが撤退。受注の減少を、新たに開拓した自動車のエンジンや足回りの金具加工などで補っていました。2020年ごろには、自社商品として長ネギ向けの農業機械「PREMIUM ねぎ美人」を開発し、ビジネス関連の表彰を受けるなど、事業の再構築を進めていました。
しかし、中核事業のプレス加工の受注減に歯止めがかからず、2024年3月期の売上高は2800万円まで落ち込んでいました。業績改善が見込めず先行きの見通しが立たない中、借入金の返済が負担となっていたため、事業継続を断念したとみられています。