島根県松江市で今年、初めてとなる島根県産和牛の子牛の競りが行われました。子牛の価格は下落が続き、畜産農家の経営は厳しくなっています。初競りの結果はどうなったのでしょうかー。
島根中央家畜市場で行われた初せりには、243頭が競りにかけられ、県内外の買い付け業者が大きさや血統などを入念に確認していました。そして午前9時過ぎ―。
JAしまね畜産部 石倉功 部長
「笑顔で今年も畜産、迎えられますことを祈念して乾杯をしたいと思います。それでは乾杯!」
地元の牛乳で乾杯し、初競りが始まりました。島根県は3年前、和牛の品質を競う「全国和牛能力共進会」の子牛の肉質を競う部門で日本一を獲得。1月15日は、日本一となった種牛「久茂福」の子牛が最も多く出品されました。そんな中、畜産関係者たちの頭を悩ませていたのがー。
JAしまね畜産部 石倉功 部長
「コロナ、あるいは世界情勢で円安ということで非常に畜産農家にとっては厳しい状況が続いておりまして、非常に大変な思いをしております」
飼料や燃料の価格高騰を受け、子牛を育てて出荷する「肥育農家」の購買意欲が下がり、競りの落札額も下落が続いているといいます。今年もさらなる下落が心配されていましたが、結果は去年の初競りを4万円上回り、平均価格約56万円にー。
インバウンドの増加で和牛の人気が高まっていることや、生産者の努力で優れた肉質の牛が多く出品されたことが大きな理由だといいます。
生産者
「まあまあ良かったです。これからもっと良くなっていきたいなと思っています」
「飼料が高騰している中ですけど、自給飼料を活用してなるべくコストを下げて、とにかく病気をさせないで大きくする。そうすれば今日みたいに良い値段になるので、ひとつ工夫して頑張っていきたい」
JAしまねでは子牛価格の本格的な回復を目指し、県外の購買者が足を運びたくなる市場づくりに取り組んでいくということです。
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