月に一度、鳥取県立中央病院の医師に、気を付けたい病気などについて話を伺っています。今回のテーマは「肺炎」です。
厚生労働省の調査によると、肺炎は日本人の死因4位。がんや心疾患、老衰に次いで多くなっています。日頃から気を付けるべきことなどを、鳥取県立中央病院呼吸器内科の松下瑞穂 医師に話を聞きました。
呼吸器内科 松下瑞穂 医師
「肺炎は、抗菌薬などで治る病気ですが、肺炎を契機に寝たきりになられたり、体力が落ちて別の病気になられたり、認知機機能が下がったりということにつながることがあります。健康寿命を延ばすために、肺炎を予防することが重要です」
Q.予防のポイントを教えてください
呼吸器内科 松下瑞穂 医師
「ワクチンの接種です。全ての肺炎をワクチンで予防することはできませんが、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、新型コロナウイルスワクチンを接種していただくことで、感染予防や、重症化リスクを下げることができます。ウイルス自体で肺炎が起こることもありますし、ウイルスの感染によって弱ってしまい、細菌性の肺炎を合併されるということもあります」
高齢者や基礎疾患のある人は重症化の恐れもある、季節性インフルエンザ。特に今シーズンは、年末年始をピークに流行が拡大しました。現在、患者数は減少傾向ですが、引き続き注意・警戒が必要です。また、高齢者や基礎疾患のある人以外にも気を付けるべき人がー。
呼吸器内科 松下瑞穂 医師
「タバコを吸われている方は肺炎になるリスクも高いですし、肺炎になられたときに重症化するリスクも高いです。ぜひ禁煙をお願いしたいと思います」
■ 肺炎予防のポイント
肺炎予防のため重要なのは、流行株に対応したワクチン接種・栄養バランスの取れた食事・口腔ケア・禁煙などで、日頃から免疫力を高めることが重要だと言います。
■ 高齢者は気づきにくい!?自覚症状
肺炎の症状は、咳や高熱が続く、息切れがするといったものが一般的ですが、高齢者の場合はこうした症状がなく、食欲低下やなんとなく元気がない、ぼーっとしているというのが、実は肺炎の症状だったということもあります。「いつもと様子が違っておかしいな?」と思ったら、かかりつけ医に相談してほしいということです。