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形が似ている「ピーマン」と「パプリカ」…含まれる栄養素も同じ? それとも違う? 管理栄養士に聞いてみた結果

オトナンサー 2024年7月4日 9時10分

 緑色のピーマンと、赤や黄色など色鮮やかなパプリカ。形こそよく似ているものの、色や風味、果肉の厚みなどそれぞれ異なる特徴がありますよね。この両者、含まれる栄養素にも何か違いがあるのでしょうか。意外と知らない「ピーマン」と「パプリカ」の栄養素について、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。

■同じ「ナス科トウガラシ属」の野菜

Q.「ピーマン」と「パプリカ」は、何がどう違うのですか。

桜井さん「そもそも、ピーマンやパプリカは『ナス科トウガラシ属』という、ナスやトウガラシなどと同じ分類に属する野菜です。その中でも、ピーマンとパプリカは学名が同じということもあり、分類上では同じ野菜ですが品種が違うもの、というわけです。

パプリカは大型になるピーマンの一種で、比較的苦みや青臭さが少ないことが特徴です。そのため、サラダなど生食として食べられることも多いですよね。彩りも豊かになりますし、ほのかな酸味と甘みがバランスよく楽しめます。

一般的にピーマンと呼ばれる緑色のものは、実は未成熟の状態で収穫されます。そのため、青臭さや苦みを感じる人も多いですよね。実は、緑色のピーマンも完熟すると赤色になるんですよ」

Q.パプリカには、赤や黄色などさまざまな色のものがありますが、色によって栄養素に違いはあるのですか。

桜井さん「食べ物は色によって違う栄養素が構成されている、ということもあるのですが、パプリカの場合は大きな違いはありません。最も大きな違いは色素で、オレンジや黄色のパプリカに含まれる『ゼアキサンチン』というカロテノイドの一種、赤色のパプリカに含まれる『カプサンチン』という成分が色素となっています」

Q.ピーマンやパプリカに含まれる栄養素は同じですか。それとも異なりますか。

桜井さん「どちらも、色素以外の栄養成分や含有量はほとんど同じといっていいと思います。代表的な栄養素はビタミンAやビタミンC、食物繊維などです。

ビタミンの含有量は多く、ビタミンCの場合、実はピーマン・パプリカともにバレンシアオレンジよりも多いのです。抗酸化作用や美肌効果があり、積極的に摂取したい野菜の一つといえるでしょう」

* * *

「ピーマンは苦いからあんまり好きじゃない…」という人や、お子さんも多いのではないでしょうか。しかし、完熟している状態で収穫されるパプリカやカラーピーマンは、独特な苦みや青臭さが抑えられていて、甘みも感じられる食べやすい野菜です。生食にも向いているので、彩りとして気軽に加えてみるのもおすすめです。

オトナンサー編集部

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