Infoseek 楽天

「ゆでる」「焼く」は要注意!? 栄養を効率的に摂取できる「調理方法×野菜」の組み合わせ、管理栄養士のおすすめは?

オトナンサー 2024年7月6日 20時10分

 焼く、煮る、ゆでる、蒸す、生のまま……野菜を食べる方法は多岐にわたります。しかし、調理方法との組み合わせによっては、せっかくの栄養素を十分に摂取できない可能性もあるようです。そこで、どんな「調理方法×野菜」の食べ方だと効率よく栄養を摂取できるのか、管理栄養士の桜井このさんに、おすすめの組み合わせを教えていただきました。

■アボカドやカリフラワーは「生食」を推奨

Q.調理方法は、野菜の栄養の摂取にどのような影響をもたらすのでしょうか。

桜井さん「野菜の代表的な調理方法ごとに説明していきます」

【ゆでる】

葉物野菜に多い調理方法です。ゆでることでやわらかくなってかさが減り、アクも抜けて食べやすくなります。一方で、ビタミンやミネラルなどの成分は、ゆで汁に流出してしまう懸念があります。

【煮る】

根菜やイモ類などのレシピに多い調理方法です。ゆでるのと比べて栄養成分が流出しづらく、煮汁やスープをそのまま使用する場合は、流れ出た栄養も余すことなく食べられます。栄養成分的にデメリットの少ない食べ方かと思われます。

【蒸す】

蒸気によって調理を行うため、野菜が水分や熱と触れる時間が少なく、最も栄養成分の流出が少ない調理方法だと思います。

【焼く・炒める】

焼いたり炒めたりするとき、油を使うことが多いと思いますが、ビタミンAなどの脂溶性ビタミンは油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。ただ、この調理方法も、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは流出してしまう可能性があるでしょう。

Q.効率よく栄養が摂取できる「調理方法×野菜」の組み合わせを教えてください。

桜井さん「まず、『生食』をおすすめしたいのは、アボカドやカリフラワーです。どちらもビタミンCが豊富なため、加熱したり水にさらしたりすると栄養分が流れ出て、少なくなってしまうためです。

『ゆでる』は、食べやすくなる野菜は多いものの、栄養面でいうと、どうしてもゆで汁へのビタミンの流出が気になってしまいます。ゆで汁もスープなどに使う、といった方法が一番効率的だと思います。

『煮る』は、ビタミンCの流出が少ない面があるため、生では食べられないイモ類のほか、かさが減って食べやすくなるキャベツやタマネギなどもおすすめです。

『焼く』はニンジンやブロッコリー、カボチャなどが適しているといえます。これらの野菜は脂溶性ビタミンが豊富なので、油を使った料理にすると吸収率が高まります。素揚げなどもよいでしょう」

Q.反対に、栄養が摂取しづらくなってしまう「調理方法×野菜」の組み合わせは。

桜井さん「ビタミンCなどの水溶性ビタミンと呼ばれるものは、その名の通り『水に溶ける』性質があるため、ゆで汁の中に流れ出てしまいます。スープなどにすると丸ごと摂取できるのですが、ゆで汁を捨ててしまった場合は水溶性ビタミンが摂取できなくなってしまうので、注意が必要です。キャベツなどの葉物野菜でビタミン類を摂取したいのであれば、サラダなどの生食がおすすめです」

* * *

 栄養が豊富な野菜でも、調理方法によっては大きく損失してしまうこともあるのですね。もちろん、食べやすくなるように火を通したり、水にさらしたり…といったことが必要なシーンもありますが、「栄養をたくさん取れる食べ方はどれだろう?」と模索しながら献立を考えるのも楽しそうです。

オトナンサー編集部

この記事の関連ニュース