「嫌いな野菜」としてよく話題に上がる野菜の一つがセロリです。香りが独特なため、苦手な人は多いと思いますが、どのような栄養素が含まれているのか気になったことはありませんか。セロリに含まれる主な栄養素のほか、セロリの栄養素を効率的に摂取する方法について、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
■栄養素が一番多く含まれるのは「葉」
Q.セロリにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。
桜井さん「セロリは取り過ぎた塩分を外に排出するカリウムや疲労回復効果のあるビタミンB群、整腸作用に効果的な食物繊維などが豊富です。
そして、好き嫌いが分かれる主な要因である『香り』ですが、実はとても複雑な構成になっているんです。香りだけの成分で、なんと約40種類あるといわれているんですよ。中でも『アピイン』や『セネリン』などが代表的な成分で、イライラやストレス、不安を和らげたり、頭痛などを鎮めたりするのに効果的とされています」
Q.セロリで一番おいしい部位や栄養素が多く含まれている部位はありますか。
桜井さん「セロリの葉の部分は使われないことも多いかもしれませんが、実は栄養は葉の部分に一番多く含まれています。特にビタミンAやビタミンKなどが多く含まれているため、できれば葉も一緒に食べていただくと栄養をしっかり摂取できますね。また、よく用いられる茎の部分には食物繊維やカリウム、水溶性ビタミンが多く含まれています」
Q.セロリの栄養素を効率よく摂取するには、どのように調理して食べるのがお勧めなのでしょうか。
桜井さん「葉に多く含まれるビタミンA、ビタミンKはともに脂溶性ビタミンという種類で、油と一緒に食べると吸収効率がよりアップするんです。ですから、炒めたりオリーブオイルなどと和えたりすると取りやすい成分になりますね。茎の部分は硬さがあるので、お肉と一緒に煮込むと臭み取りをしながらセロリ自身も食べやすくなるため、お勧めです。
もちろん、スープや煮込みなどに入れていただいても良いですね。また、水に溶けてしまうビタミンCなども含まれていますから、筋を取っていただくと生でも食べやすいと思います。セロリは葉と茎の部分で多く含まれる栄養成分が異なるため、調理方法を変えるとよりたっぷり栄養を取れますね」
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香りのクセで敬遠されることもあるセロリですが、実はその香りの成分がストレスや頭痛などの緩和に効果があるということです。他の食べ物の臭み消しにも効果的な上、葉の部分にも栄養がたっぷりなのはうれしいですね。
オトナンサー編集部