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「バツイチの女性、初婚男性との再婚を敬遠しがち説」は本当なのか? “結婚歴なし”男性にはあって“バツイチ”男性にないものとは

オトナンサー 2024年9月8日 9時10分

 離婚経験のある女性は、「もう一度結婚するなら、絶対に相手もバツイチがいい」という人が多いように感じます。再婚バツイチ歓迎説、一体それはなぜなのでしょうか?

■2022年度に結婚したカップルの3割以上が「再婚」

 厚生労働省の「人口動態調査」によると、2022年度に結婚した夫婦において、「夫妻とも再婚またはどちらか一方が再婚」は25.2%、「夫妻とも再婚」が9.4%という結果になりました。両者を合わせると、実に3割以上が再婚カップルです。

 2019年度の厚生労働省の調査によれば、日本の離婚率は約35%となっており、年間約20万9000組もの夫婦が離婚しています。「恋した相手がたまたまバツイチだった」というのは“あるある”な状況ということです。

 バツイチ女性が、結婚未経験者よりもバツイチ男性と結婚したいと思うのには、大きく分けて2つの理由があると、「恋人・夫婦仲相談所」所長の私は考えます。

【理由(1)結婚・離婚を経験した者にしか見えない世界がある】

結婚するのは簡単…とは言いませんが、結婚は「してから」が勝負です。お互いを見つめ合うだけでラブラブ&ズキュンだった時期は数年で終了。家族として生活を共にし、お互いが将来を見据えて、リスク回避をしながら人生を歩むというステージに上がると、さまざまな試練が訪れます。それを一つ一つ、丁寧なコミュニケーションを取りながらクリアし続けるのが結婚です。

そして、意思の疎通がうまくいかなくなった末に訪れるのが、離婚。離婚率が35%といえども、離婚をするのは簡単なことではありません。お互いが離婚を望んでいればすんなりいくかもしれませんが、どちらか一方の思いであれば、離婚するまでに長い年月を要することもあります。

不倫や過度なモラハラ、DVなどが絡めば慰謝料などの請求も行われ、弁護士を入れて高額費用がかかることもあるのです。そんな大変な試練を乗り越えた人と、そうでない人とでは、結婚に対する捉え方は違ってくるでしょう。

「結婚は、理想しかない夢物語ではない」とバツイチさんは熟知しています。試練を乗り越えたバツイチさんを結婚相手として望むのは、自然なことなのかもしれません。

【理由(2)バツイチ同士だと、結婚生活の“現実的な擦り合わせ”ができる】

(1)の理由とリンクするところがありますが、バツイチさんは「結婚に対する非現実的な夢は、持っても無駄」であると知っています。好きで一緒になったとしても、生活がスタートしたらこんなもんだよな、という経験値があるので、結婚生活に対する心理的ハードルが低いのです。

初婚のときは「旦那さんより早く起きて、ナチュラルメイクして朝ご飯を作らなきゃ」「相手が帰ってくるまで起きて待ってなきゃ」「休みの日は一緒に出かけなきゃ」「記念日はしっかり祝わなきゃ」など夢を描いていたかもしれませんが、再婚相手もバツイチさんなら、基本的にはそんなプレッシャーは少なく、「お互いできることをする、できることしかしない」という擦り合わせができます。相手ができないことを責めると離婚につながるから、という思考回路ができています。

 理想の夫婦像を追い求め、肩肘張って気を使う生活というのは、本当に疲れるものです。

■再婚相手を探したけれど、恋する相手はやっぱり…

 英美理さん(40歳、仮名)は3年前に離婚した、元読者モデルの美女。7歳の娘さんがいます。子どもが小さいため、自分が病気になったり、事故に遭ったりしたらと思うと不安になり、マッチングアプリで結婚相手探しを始めました。

 候補に挙がったのは2人。一人は42歳バツイチのシングルファーザー。3歳の男の子のパパです。もう一人は、結婚歴のない37歳の男性です。

 シングルファーザーの男性は年収が高く、性格も穏やか。離婚理由は「元妻が、好きな人ができて家を出た」という苦労人。英美理さんも元夫の浮気問題で離婚していたので、結婚に対する価値観は合いましたが、趣味や嗜好(しこう)は全然違い、何より外見が全くタイプではありません。英美理さんは背が高い、爽やか系が好みですが、彼は身長160センチそこそこで、“脂ぎった”イメージの男性でした。

 片や、37歳の結婚歴なし男性は元ラガーマン。身長180センチの“ガチムチ”で、濃い顔です。英美理さん同様にお酒好きで、音楽の趣味も合い、一緒にいるととても楽しいのですが、彼は結婚に大きな夢を抱いていました。

「結婚したら毎日、朝・晩と奥さんの手料理が食べたい」「週末は家族全員でいろんなところへ遊びに行きたい」「子どもは2人欲しい」などなど。

 正直、英美理さんはもう子どもは欲しくありませんでしたし、毎日2食の食事を作るなんて無理。週末は家でゆっくりしたい……そう、結婚生活に抱く希望が全く違ったのです。

 結局、英美理さんは結婚を諦め、元ラガーマンとの交際を選びました。お付き合いを楽しんでいますが、「あなたと結婚はできない」とはっきり伝えているそうです。

 恋愛の延長線上に結婚があるのは確かなのですが、恋愛で付き合うのと結婚生活は別物。結婚には、相手の家族や生い立ち、生活習慣、経済観念など、さまざまなものを受け入れなければならないと覚悟を決めてから臨むのがよいでしょう。

 となると、再婚相手がバツイチさんであれば、「大丈夫、前に苦い経験したから分かってるよ」と、悟りの境地で接してくれる可能性が高い……という点にかけてみてもよいでしょう。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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